『斉木楠雄のΨ難』がなぜ今再ブームに?   火付け役は“クセつよ元ヤン”窪谷須亜蓮

『斉木楠雄のΨ難』なぜ今再ブームに?

 『斉木楠雄のΨ難』の再ブームが起きたのは、同作がいまだに根強い人気を誇っていることを証明しているように思われる。とはいえたんに“思い出補正”で美化されているだけだったら、ここまで大きな盛り上がりにはなっていなかったはず。設定やストーリーが古びておらず、今観ても楽しめる作品だからこそ、熱狂的なムーブメントが巻き起こったのだ。

 ほとんどのコメディ作品はその時代の空気にあわせてネタを作るため、時代が変わるとウケなくなってしまうことが多い印象。しかし同作の場合は、クセの強い登場人物たちの掛け合い自体が見どころとなっている。そのためコメディにもかかわらず、今でも変わらない魅力を保っているのかもしれない。窪谷須の魅力を語るポストが再ブームの引き金になったことは、それを象徴しているのではないだろうか。

 それでは同作のように、令和の今ふたたびブームが起きそうな作品にはどんなものがあるだろうか。“ジャンプアニメ”の枠内で探してみるなら、たとえば『魔人探偵脳噛ネウロ』などは鉄板と言えるだろう。

 同作は人間界の謎を喰い尽くそうとする魔人・脳噛ネウロと、女子高生・桂木弥子を主役として進行していくミステリー作品で、2007年にはアニメ化もされている。作品の見どころは強烈な個性のキャラクターたちが登場することで、当時からネットミームにもなっていた。口にした者の肉体を劇的に強化し、モンスターへと豹変させる「ドーピングコンソメスープ」はあまりにも有名だ。

 今の時代、SNSで再発見されるには、ミーム化しやすい設定や描写が存在することが前提となる。『魔人探偵脳噛ネウロ』はその点を完璧にクリアしている上、内容はしっかり面白いので、機会さえあれば新規ファンが爆発的に増えるかもしれない。

 惜しいのはアニメ版にオリジナル展開が多かったことだが、もし原作に忠実な内容で再アニメ化されれば、間違いなくブームが起こりそうだ。

 近頃のSNSでは、『黒子のバスケ』の一場面などもミームとして話題を呼んでおり、ジャンプアニメが特定の世代にとっての共通体験になっていることが窺える。今後は一体どんな作品がブームを巻き起こすのだろうか……。

参照
※1. https://x.com/shu1aso/status/1911390865508925728
※2. https://x.com/saikikusuo_PR/status/1923287443207245904
※3. https://x.com/saikikusuo_PR/status/1928652094787170601

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる