『斉木楠雄のΨ難』がなぜ今再ブームに? 火付け役は“クセつよ元ヤン”窪谷須亜蓮

麻生周一の手掛けたギャグマンガ『斉木楠雄のΨ難』が、SNSを中心として大きな盛り上がりを見せている。原作の連載終了は約7年前、アニメも約5年前に完結した同作だが、なぜ今になって人気が再燃しているのだろうか。
『斉木楠雄のΨ難』は『週刊少年ジャンプ』(集英社)で2012年から2018年にかけて連載された作品。アニメ版は2016年にTVシリーズ第1期が放送された後、第2期と完結編を経て、“その後”のエピソードを描いた「Ψ始動編」が2019年にNetflixで配信された。また、2017年には山﨑賢人を主演に迎えて実写映画化も実現。橋本環奈、吉沢亮、賀来賢人、ムロツヨシ、佐藤二朗ら豪華キャストが集い、その華やかな顔ぶれでも注目を集めた。

主人公の斉木楠雄はサイコキネシスやテレパシー、瞬間移動に予知などさまざまな力をもった超能力者だが、目立たずに平穏な生活を送ることを願っていた。しかしその周囲にはなぜかクセの強い同級生たちが揃っていて、ドタバタな日常を送っていくことになる。
今回“再ブーム”が巻き起こったのは、同級生キャラの1人・窪谷須亜蓮がきっかけだった。窪谷須は優等生のような見た目でありながら、実はかつて筋金入りの不良だったというキャラクターだ。昔気質で漢気のある性格をしていて、アニメ版2期の第2話では「付き合うことになったら結婚するのが当たり前」「愛する女は生涯一人」というピュアな恋愛観を口にしていた。
だがそんな性格がたまらないという人は多いようで、4月にX(旧Twitter)上で同作のファンが窪谷須の魅力を語り、大きな話題を呼んだ。このポストこそが今回の再ブームの震源地で、それから作者の麻生周一が引用ポストで窪谷須のイラストを投稿した。反響の大きさを見てみると、元ポストは16万いいね、作者の投稿は34万いいねという数字を叩き出している(※1)。
そしてこの一件から『斉木楠雄のΨ難』が好きだった人々が作品の面白さを語ったり、ファンアートを投稿したりするようになり、X(旧Twitter)やpixiv、TikTokなどで大きな盛り上がりを見せることに。
公式もこのムーブメントにすかさず対応し、『少年ジャンプ+』では原作の無料公開が実施されたほか、YouTube「ジャンプチャンネル」ではアニメ『斉木楠雄のΨ難』の緊急無料配信が実現した(※2)。
アニメの公式X(旧Twitter)では、無料配信の第1弾が100万再生を突破したことを報告しており、それだけファンの熱気が高まっていたことが伝わってくる(※3)。
さらにアニメの劇中で使われていたBGM「ジャッジメント・ナイツ・オブ・サンダー」が、2025年4月15日付けの「オリコン」デイリーデジタルシングル(単曲)ランキングで20位に浮上したことも話題に。2016年11月に配信された楽曲が令和の今、突如ランクインするという事態は、まさしく超常現象のようだ。





















