『信長協奏曲』が象徴する小栗旬の転換期 “イケメン若手俳優”が大河主演を果たすまで

2016年に公開された小栗旬主演映画『信長協奏曲』が、6月7日にフジテレビ系『土曜プレミアム』で放送される。
本作は、石井あゆみによる同名マンガを原作に、2014年にフジテレビ系の「月9」枠で放送された初の時代劇作品の映画版。ドラマでは小栗が演じる高校生のサブローがひょんなことから戦国時代にタイムスリップしてしまい、顔、声、体格などがそっくりであった本来の織田信長に出会い、彼の頼みで信長として生きていく姿が描かれた。本作では、ドラマの内容を簡単におさらいしつつ、信長が最期を迎える「本能寺の変」までが描かれている。

現在の小栗といえば、“リーダー”役としてのイメージが定着しつつある。主演を務めた大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)の北条義時は、必要とあらば慈悲なく無情な粛清も辞さない人物であったが、その時局を見極める力は非常に優れていた。また、小松左京のSF小説を原作とした日曜劇場『日本沈没ー希望のひとー』(TBS系)で演じた、環境省の若手官僚・天海啓示は、年齢や立場の異なるさまざまな人と対立しながらも、環境問題による関東沈没や日本沈没の被害を最小限に食い止めようと奔走していた。キャラクター性は異なるが、どちらも“リーダー”としてとても頼りになる存在である。
小栗旬が演じた北条義時の名を決して忘れない 『鎌倉殿の13人』義時が最後に信じた“光”
伊豆の片田舎で明るく楽しく暮らしていた豪族の次男坊が、なぜ修羅の道を歩むことになったのかーー。 2022年のNHK大河ドラマ…一方で、小栗がブレイクを果たしたのは、『花より男子』シリーズ(TBS系)の花沢類役や、6月1日よりTVerでの無料配信もスタートした『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(フジテレビ系)の佐野泉役がきっかけである。小栗は、今でいうところの“イケメン若手俳優”として世に名が知られていったのだ。
そんな小栗が高校生のサブローと織田信長の2役を演じる本作は、彼のブレイク期と“リーダー”が似合う現在の魅力を同時に味わうことができる贅沢な作品であると同時に、この2つの時期を結ぶ重要な作品と位置付けることができるのではないだろうか。





















