Mrs. GREEN APPLE 大森元貴の演技を分析 “芸歴の蓄積”が俳優としても武器に

映画『#真相をお話しします』が快進撃を続けている。配給を担当する東宝の発表によると、5月11日までの公開17日間で観客動員数は114万人、興行収入は15億円を突破し、2025年の邦画実写作品として暫定1位に。興収20億円超えも視野に入っており、大ヒット作となりそうだ。
原作は結城真一郎の同名ミステリー小説。舞台となるのは、有名事件や芸能スキャンダルなどあらゆる“真相”を生配信で暴露し、視聴者から巨額の投げ銭を得る「#真相をお話しします」という番組だ。センセーショナルな内容と怒涛の展開に加え、視聴者が「見たい真実」に釘付けになるさまは、まさに現代の“暴露系エンターテインメント”の縮図とも言える構成になっている。

この映画が高く評価される理由は、そのエンタメ性だけに留まらない。現代社会に蔓延するSNSの危うさや、無自覚な「傍観者」が持つ暴力性に真正面から向き合っている点が大きい。1998年公開の映画『トゥルーマン・ショー』を彷彿とさせる設定でありながら、そのアップデート版として、「自分で見たいものを選び、晒された真実に対して無責任に反応する」「ネットという匿名性の下で人々が他人を裁き、叩き、そしてまた別の話題へ移っていく」というSNS社会の負の側面を浮き彫りにしている。
『#真相をお話しします』映像化の“大胆な仕掛け” 大森元貴&菊池風磨の隠れた一面とは?
波乱に満ち溢れた原作小説を実写映画化するには、このアプローチしかなかったのではないか。そう思ってしまうほど、映画『#真相をお話し…そうしたメッセージ性の強い本作において、説得力を高めていたのが、俳優陣のリアリティある演技だ。中でも絶賛されているのが、本作で初主演を務めたMrs. GREEN APPLEの大森元貴である。音楽業界では2年連続でレコード大賞を受賞するなど不動の人気を誇るが、俳優としての演技がここまで高く評価されるとは予想外だったという声も少なくない。
大森がMrs. GREEN APPLEのミュージックビデオで見せる表現力はファンの間で「鳥肌もの」とたびたび称賛されてきたが、映画の主演起用には、別業界からのファンを集客につなげるための“話題作り”という意味合いでのキャスティングと思った人は多かったことだろう。しかし蓋を開けてみれば、大森の演技はそうした色眼鏡を吹き飛ばすほどのインパクトを残している。




















