『恋は闇』の“犯人フラグ”まとめ 設楽浩暉は本当に犯人なのか、それともミスリードか?

『恋は闇』の犯人フラグまとめ

 浩暉の過去について確認しよう。浩暉は10年前の2015年7月20日、自身の母親で弁護士の設楽久美子(紺野まひる)が「ホルスの目殺人事件」と酷似したかたちで惨殺された「立川市女性弁護士、刺殺事件」の第一発見者。浩暉の心境ナレーションで「全ての出来事には始まりがある」と何度もあるが、浩暉にとっては母親が殺されたのが全ての始まりなのだろうか。浩暉は報道の姿勢に関して万琴と意見をぶつけあった際に、「メディアは警察じゃない。犯人逮捕をするわけじゃない。裁判所じゃない。裁く権利はない。だったら何をする? 大衆を煽って盛り上げるんだよ。興味を持続させて世間を忘れないようにする。忘れられた事件は終わる」という考えなので、母親の事件を風化させないためにも模倣するかたちで「ホルスの目殺人事件」を作り上げていると考えられる。

 久美子殺害の犯人とされたのが、夫で浩暉の父・設楽貫路(萩原聖人)。久美子とは10年以上別居していて、当初は容疑を否認していたが、その後「自分がやった」と自供し、供述した凶器も見つかり逮捕。そして10年の刑期を終えて出所してからホルス事件が続いている。

 しかし警察は当初、被疑者としてマークしていたのは第一発見者で当時20歳の浩暉。鑑識の松岡は、当時浩暉の服の血が乾いていたのを(発見してすぐ通報していれば血は乾かない)疑っている。息子が実行犯なのか誰かに脅されたのか、いずれにせよ息子が犯人にされるのを父親がかばったと推測される。

 浩暉が登場するシーンでは、母親の殺人現場のフラッシュバックが度々出てくる。第2話では「手が血だらけだが、自分がやったのか?」と困惑したかのような表情を見せている。眠らされて気がついたら自分が母親を殺害しているようにハメられたとも見えるが、別人格が犯行を行ったと考えると、通報までに時間があったことや事情を知った父親が身代わりになったことも納得がいく。

 第4話で万琴が黒のレインコートの人物に襲われた後に浩暉が駆けつけ、万琴を抱きしめて「ひとりにしてごめん」と異様に泣いて心配していた。別人格が襲ってしまったことへの懺悔にも見えるが、母親の事件を思い出して謝っているようにも見える。以前、被害者家族の取材が他のニュースで放送されず埋もれてしまったときに浩暉は号泣していた。あるときに万琴がそれについてツッコむも、そんな事実がなかったかのようにスルーしていたり、万琴と一夜を共にした後もそれがなかったかのように平然していたり、万琴のメールや電話をスルーしていたりと、万琴を利用したいだけで、母親の事件に関することになると感情の暴走スイッチが入るサイコパスタイプかもしれない。ただ初恋相手と分かってから気が変わったのかも。

 第4話のラストで、万琴の親友・向葵(森田望智)の先輩看護師・透子(小林涼子)の元カレが浩暉だと発覚し、透子は「私史上一番やばい元カレ」と言っていたが、二重人格の姿や注射器で血を抜く行為などを見せていたのか? とりあえず、透子から後輩の知り合いにテレビ関係者がいると聞いて万琴に接触したと予想される。

 また、第3話で万琴を襲おうとした坊主のフード男が浩暉に捕まり、「設楽全部お前のせいで」と言っていた。浩暉の書いた記事で人生を狂わされたと考えられるが、浩暉はそのことを覚えていないので、別人格の浩暉にホルスの協力者として雇われて人生がおかしくなったという線はどうか。もしそうなら、万琴を切りつけた人物も雇われた人という可能性が出てくる。

 貫路が出所後、自ら浩暉の記事を見てホルスの殺人現場を推測している描写があり、貫路も真犯人を探している≒浩暉の暴走を止めようとしているように見える。浩暉も真犯人探しで行動しているのなら貫路が捕まっていた10年間なにもしていないのはおかしいので、出所した貫路を挑発しているのか。それとも2人が共謀して真犯人を探しているのか。ただ、浩暉が幼少の頃に泣いているところを万琴と思われる少女に出会った回送シーンでは、浩暉は誰かを探しているようにみえる。おそらく母と別居した父親(生き別れの兄弟がいてもおかしくないが)だとしたら、ホルス事件は父親への歪んだ愛のアピールとも考えられる。

 身長や家に出入りできる存在を考えると、デリバリーの夏八木唯月(望月歩)説、あるいは犯人の暴行に万琴の力で抗えたことから、女性犯の可能性もある。高校3年生のときにストーカーに刺されたことで何らかの恨みを関係者に抱いてる向葵真犯人説も囁かれているが、ただ被害者は血を抜かれていると予告で言っていることで、もしホルス事件が真犯人を誘き寄せるためだとしても、それがどう繋がるのか理解しがたい。さすがに設楽親子が吸血鬼の末裔なんてことはないだろうが、母の死に遭遇してシリアルキラーに目覚めてしまったのか。そもそも本作は物語冒頭の万琴のナレーションで、「あなたは誰? あなたは私が愛しちゃいけない人」と浩暉とのラブラブなシーンと、フードを被った冷徹な浩暉が「ごめんね」と言い抵抗する女性に注射を射つシーンが交互に流れタイトルが出ている。浩暉が二重人格、もしくはサイコパスな連続殺人鬼と出会ってしまった事後報告のような形でドラマが始まっているだけに、現段階ではやはり、ドラマ『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジテレビ系)で山田涼介が演じたような二重人格殺人犯の線が高いと考える。

『恋は闇』の画像

恋は闇

『あなたの番です』『真犯人フラグ』の制作スタッフが完全オリジナル脚本で描く“究極の恋愛ミステリー”。主人公・浩暉に次々と浮上する疑惑と、彼を愛したヒロイン・万琴の葛藤を通して、「真実を見抜けるか?」を描いてく。

■放送情報
『恋は闇』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:志尊淳、岸井ゆきの、森田望智、白洲迅、望月歩、小林虎之介、浜野謙太、猫背椿、西田尚美、萩原聖人、田中哲司
脚本:渡邉真子
音楽:末廣健一郎
監督:小室直子、鈴木勇馬
プロデューサー:鈴間広枝、能勢荘志、松山雅則
チーフプロデューサー:道坂忠久
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
©日本テレビ
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