ソン・ソックの甘い魅力が大爆発 『君は天国でも美しい』が描く“徳”と人生のあるべき姿

『君は天国でも美しい』が描く人生のあり方

 今週は、ソン・ソックの愛妻家ぶりと、現世の人間に届け物をする際のカッコよさに痺れた。ホワイトのスーツに身を包み、前髪をあげた姿は色気たっぷりだ。本作では、全編を通じてソン・ソックの甘い演技が堪能できるが、「渋み」が出ると、「そうそう! ソン・ソックの本領発揮!」と嬉しくなる。

 ナクジュンの頑張りによって、ヘスクも無事に天国に戻り、ヨンエとソミ(ハン・ジミン)とナクジュンの4人は天国で無事に暮らすことになる。天国では、現世で積んだ「徳」がお金の代わりとなっているのだが、ヘスクが生前に知らずと積んだ「徳」の描写が温かく、「徳」の大切さが沁みる。

 地獄篇で描かれた、生前に犯した罪と報いを受ける描写と、天国の対比は、強いメッセージを訴えかける。「生きている間にどういう生き方をしたのか」人を苦しめるのも、人を助けるのも、人だ。自分はどちら側の人間として生きていきたいのか。本作を通じて、世界中の人が「死後の世界」である天国と地獄に癒されたり、慄いたりしながら、自分自身の行いを今この瞬間から変えていくことができる。天国で陰口を言ったヘスクが地獄へ行ったように、地獄でもまた行いにより天国へ行くことができるようだ。「新地獄」でネットでの誹謗中傷をした人たちが、キーボードのキーとなって破壊される姿は、なんとも現代的だ。姿が見えなくても、自分が打つ文字は、光にもなり刃にもなる。今週は、地獄をメインに、無理心中や、引き続きペット虐待にも触れていた(犬の飼い主に対する愛情が切ない)。本作は、消費するエンタメを超えた、倫理観や道徳をドラマとして興味深く、面白く伝えてくれている。

■配信情報
『君は天国でも美しい』
Netflixにて配信中
出演:キム・ヘジャ、ソン・ソック、イ・ジョンウン、ハン・ジミン
演出:キム・ソギュン
脚本:イ・ナムギュ、キム・スジン

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