松坂桃李&吉田羊、お互いへのリスペクト 「役によって作品の空気感も変えられている」

松坂桃李&吉田羊、役者にとって大事なこと

 5月9日より公開中の『パディントン 消えた黄金郷の秘密』。パディントンのルーツが明かされるという本作は、シリーズ1作目から吹き替えを担当している松坂桃李にとって衝撃の物語だったという。

 また、「悪役」が明確にわからないストーリーのミステリアスさを、吉田羊演じるクラリッサが巧みに表現していると評する松坂。お互いの演技についてのリスペクトと、“パディントン愛”を語った。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

松坂桃李×吉田羊が語る『パディントン 消えた黄金郷の秘密』の魅力

(左から)吉田羊、松坂桃李

—— 本作はパディントンのルーツに迫るエピソードでした。特に見どころだと思う部分はありますか?

松坂桃李(以下、松坂):冒頭でパディントンが川で溺れておじさんとおばさんに助けられるシーンは、前作までも部分的に描かれてきたんですが、今作を観るとその意味がようやくつながります。シリーズを観つづけてくださった方への特典といいますか、追いかけつづけてきた方だからこそのワクワク感は本当に最高だと思います。

——シリーズを通して出演されている松坂さんにとっては、特に衝撃だったと思います。

松坂:そうですね。「そういえばパティントンってどこから来たんだろう?」と思っていたので、先に作品資料を頂いて知ったときに「あ、そうなんだ!」と驚きました。

吉田羊(以下、吉田):今回はロンドンを飛び出して、ペルーでのスペクタクルになっています。まさに『インディ・ジョーンズ』のような、命の危険すら感じる大冒険です。途中、ちょっと笑えないというか、「パディントン助かるの!?」と本気で心配してしまうスリルが増した作品だなと思います。

——クライマックスシーンで明かされる事実も衝撃でした。どんな気持ちで収録されていましたか?

松坂:詳しくは言えないですが、ルーシーおばさんの声が返ってくると信じながら山を登っていく、パディントンの純粋な姿を見ただけでもすごく胸にくるものがありました。3作目を演じて、改めてパディントンは本当に清らかな心の持ち主で、心が浄化されるなと思いました。

吉田:私が声を当てたオリヴィア・コールマンは終始明るく朗らかで、ずっとニコニコしているのでそれが逆に怖くて。その笑顔の奥にある彼女の企みみたいなものを、ディレクターさんから細かく演出を受けながら作っていきました。最後に秘密が明かされるシーンでは、それまでとの彼女の声とのギャップを意識して声を当てています。

松坂:僕が収録をしたときにはもう吉田さんの声が入っている状態だったので、声を聴けてうれしく思っていました。

——吉田さんは、松坂さんが演じるパディントンの声についてどう思っていますか?

吉田:今回の収録にあたって、過去の字幕版と吹替版を観直していたんです。観ていると本当にどっちがどっちかもわからなくなるくらい、ベン・ウィショーにすごく似ていらっしゃるんです。選ばれるべくして選ばれたキャスティングだと思いました。

松坂:いやいや(笑)。

——パディントンを演じるうえで意識されていることはありますか?

松坂:パディントンを演じるには、動物だからどうとかいうよりは、パディントン自身の持っている心の清らかさだったり、人に対する真摯な向き合い方だったりを大事にするのをベースにしています。“クマ”としての声は別にあるので、それよりもパディントンがブラウンさんと話しているときのパディントンらしさみたいなものを大事にするというのが演出の方からの要望としてありました。初めて収録したときはベン・ウィショーの芝居に少しでも近づこうと思っていたんですが、そのときに演出の方から「今回は日本版らしくもっと声を高くしましょう」というようなことを言われました。それから今まで「ベン・ウィショーはベン・ウィショー。自分は自分だ」という意識で演技するようになりました。

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