ディーン・フジオカに続く? “逆輸入俳優”の新星に中国版『プデュ』出身者あり!

“逆輸入俳優”の新星・SANTA

 SANTA演じる主人公の聡太は暴露系インフルエンサーとして活躍していたが、兄の交通事故をきっかけに転落。現在は、自分を拾ってくれた週刊誌の編集者・篠森(鐘ヶ江佳太)のもとで、相棒のカメラマン・キュウ(宮本聖矢)と共に危険なスクープを追っている。そんなある日、SANTAは各国の政府関係者と取引している人身売買組織の実態を暴くため、キュウと共にとある国へ。取引の現場を押さえた写真にはかつて自分を捨てた父親らしき姿が写っていた。ずっと父親を恨みながら生きてきた聡太だが、現地で人身売買組織から助けた日本人女性・きり(白河芹)との出会いをきっかけに少しずつ変化を見せていく。

 SANTAのことを知っている人なら、まずそのヴィジュアルに驚くのではないだろうか。ボサボサの髪に、無精に生やした口髭とかつてないほどワイルドな風貌のSANTAからは危険な魅力が漂っている。他者には心を開かないという聡太の孤独を表したその姿は、自分の見た目には無関心であり、まったく着飾ってはいない。それにもかかわらず、なぜか目が離せないのはSANTAが聡太の抱える孤独や痛みを体現しているからだろう。

『Forgiveness-ワイズマンの孤独-』

 2024年、中国でヒットしたアニメを原作とするミュージカル『時光代理人』でも主演を務めたSANTAだが、これが本格的な俳優デビュー作とは思えないほど安定感があるのは、これまでのアーティスト活動で培ってきた表現力の賜物だ。1本の映画の中で移りゆく聡太の心情を繊細な演技で見せており、“役者”としても唯一無二の表現者であることを証明した。

 また、SANTAはこの映画で主題歌と挿入歌も担当。それぞれタイプの異なる全3曲の楽曲がアーティスティックな映像とともに流れる場面はそれ自体がMUSIC VIDEOのような趣きも感じられる。物語との親和性も高く、特にエンディングで流れる主題歌「Forgiveness」は、“赦し”をテーマにした歌詞と儚くも全てを包み込むようなSANTAの歌声が聡太の心情と呼応していた。聡太として生きたことで、シンガーとしても新たな引き出しを増やしたのではないだろうか。

SANTA「Forgiveness」MUSIC VIDEO

 ディーンも自身が主演を務めた『シャーロック』や『モンテ・クリスト伯』で主題歌を担当していたが、演技と歌の両軸から作品の世界観を深められるというのは最大の強みだろう。現在、27歳。幼い頃から世界を股にかけて活躍してきたSANTAの経験値やスキルは、これから日本の作品にも少からず影響を与えていくのではないだろうか。

■配信情報
『Forgiveness-ワイズマンの孤独-』
BUMPにて、独占先行配信中
出演:SANTA、白河芹、宮本聖矢、卯ノ原圭吾、つじかりん、鐘ヶ江佳太、島林瑞樹、麻生果恩、渚のん、寺尾海史、光徳瞬
原案:末吉ノブ、浦翔也
脚本:阿久津京介
監督:浦翔也
制作:株式会社ダークマン
制作協力:Sprocket Holes Japan
製作:エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ株式会社
プロデューサー:末吉ノブ
製作総指揮:堀田和雄
BUMP公式サイト:emolebump.go.link/aIwT1
公式X(旧Twitter):https://x.com/wisemanmovie
公式Instagram:https://www.instagram.com/wiseman.movie/

 

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