志田彩良、“親友役”で飛躍のチャンス? 『あんぱん』で放つ今田美桜との対照的な存在感

放送中の朝ドラ『あんぱん』(NHK総合)では、ヒロイン・朝田のぶ(今田美桜)が人生の次なるステップへ。女学校を卒業し、女子師範学校に進学。厳しい試験をクリアして進んだ道だが、これからさらに過酷な日々が彼女を待っているというのだから心配だ。そんな日々を過ごしていくためには、やはり支えとなる存在が必要だろう。のぶには幼なじみみの小川うさ子がいる。演じているのは志田彩良である。
本作は、誰もが知る有名なキャラクター・アンパンマンの生みの親である夫婦をモデルとし、のぶと柳井嵩(北村匠海)の激動の生涯を描いていくもの。私たちはこの作品をとおして、幅広い層から愛され続けている『アンパンマン』という作品の誕生の背景を知っていくことになるわけだ。いまようやく、いや、早くもその芽が出たところ。のぶは愛する家族の元を離れ、未来に対して闘いを挑んでいる。この女子師範学校で多くのことを学んでいくのだろう。
のぶといえば「ハチキン(=男勝りな女性のこと)おのぶ」などと呼ばれるエネルギッシュな女性だが、その幼なじみみであるうさ子は対照的だ。女学校時代は卒業までに相手を見つけ、花嫁になることを夢見ていた。のぶのように自己主張をすることもなく、控えめに、物事の脇に静かに収まっている印象があった。けれども彼女は自らの意志で女子師範学校に進むことを選んだのだという。進学のハードルの高さは、のぶの様子を見て多くの視聴者が理解していたことだろう。時代が時代だということもあり、よほどの強い意志がなければ実現しなかったのではないかと思う。

本作の公式ガイドである『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 あんぱん Part1』にて志田はうさ子について、「当初は気弱で流されやすい、おっとりした人なのかと思っていましたが、周囲に影響されながら強くなっていく、元気ですてきな女性だと今では捉えています。泣き虫だけど自分の意志をしっかり持って日々を過ごしているんです」と語っている。なるほど。この進学を機に、どうやらうさ子には変化が生じていくらしい。ヒロイン・のぶを支えるにはどうにも心許ない人物ではあるが、彼女のように自己変革に臨む存在というのは、必ずや周囲にもプラスの影響を与えるはず。今田の演技がカラッと晴れたものであるのに対し、いまのところの志田の演技はしっとりとしている。親友関係を演じるこのふたりが、どのように影響し合っていくのかが大きな注目ポイントになりそうだ。





















