『ハボック』は『男たちの挽歌』へのラブレターだ ギャレス・エヴァンスの“過剰さ”が光る

本作は明らかにジョン・ウーへの、それも香港映画の金字塔的な傑作『男たちの挽歌』(1986年)、そして『男たちの挽歌 II』(1987年)へのラブレターだ。序盤では『男たちの挽歌』の曲が引用されるし、それこそクライマックスの人が死ぬために大行列しているシーンは『男たちの挽歌 II』で見た光景そのもの(『男たちの挽歌 II』はマフィアの抗争ものだが、いろいろあったあとの殴り込みで、主人公らがヤクザを100人くらい殺す)。わんこそば感覚の死は、明らかに『男たちの挽歌 II』である。他にもスローモーションを使ったり、音楽のドラマチックな使い方、恋人たちのすれ違い、方々からジョン・ウーっぽさを感じてしまう。ギャレエヴァさんの作風である「過剰さ」のルーツが垣間見えるようで、思わず言ってしまうだろう。「アンタも好きねぇ」と。こっちは加トちゃんにならざるをえない。
忙しい映画である。乱暴な映画である。話を追いながら「あれって、どうなったんだっけ?」と分からなくなる点もある。しかし、この突き抜けた勢いは唯一無二だ。そんなわけで今回の記事は、ギャレエヴァさんと同じジョン・ウーのファンとして、あの言葉を引用して終わろう。『男たちの挽歌 II』のレンタルVHSの裏にて、映画評論家・秋本鉄次氏は同作をこう評したが、この言葉は本作『ハボック』にも通じる。「とにかく問答無用で酔えるぜ!」。
■配信情報
『ハボック』
Netflixにて配信中
出演:トム・ハーディ、ティモシー・オリファント、フォレスト・ウィテカー
監督:ギャレス・エヴァンス






















