『いつか、ヒーロー』氷室と若王子の繋がりが判明 “何か”あると感じさせる宮世琉弥の凄み

『いつか、ヒーロー』氷室と若王子の繋がり

  『いつか、ヒーロー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)第3話でスポットが当たったのは、日本有数の一流企業で大成功を収めている……かのように見えていた瑠生(曽田陵介)。しかし、彼がやっているのはいわゆる詐欺まがいの自転車操業。心優しい瑠生は、本当は他人を騙すようなことはしたくない。ただ普通に幸せになりたいだけなのに、厳しいノルマと上司からのプレッシャーのせいで、走り続けるしかなくなってしまった。

 そんなあるとき、瑠生はひとり暮らしの老婆・八重(田島令子)に悪質なアパート経営を勧めてしまう。「これは、仕事だ」と割り切っても、八重の姿が自分を愛してくれた祖母に重なり、どうしても騙し切ることができない。「認知症だから判断能力がない」などの理由をつけて八重をかばおうとするが、ブラックな上司たちは「そんなことはどうでもいい」という感じで聞く耳を持ってくれず、契約の日がやってきてしまった。

「強者だけが認められ、賞賛される。人が集まる。踏みにじられ、見向きもされず、バカにされ続ける人生と、強くなって、人からリスペクトされる人生、お前はどっちを選ぶんだ?」

 悩んでいるとき、そう氷室(宮世琉弥)に問いかけられた瑠生。正直、「俺は這い上がって見せる」「誰にもバカにされない自分になってやる」と赤山(桐谷健太)に宣言していた瑠生は、八重を騙してでも、出世する道を選ぶものだと思っていた。しかし、彼が選んだのは“優しい”道。契約書にハンコを押す八重に「こんなのインチキだ!」「これは、インチキなんです!」と言い、逃げるように促した。

 大金を稼いだり、出世することだけが成功者なわけじゃない。瑠生は、氷室が言う“強者”にはなれなかったかもしれないが、人間として大事にしなければならないものをちゃんと守ることができた素晴らしい人間に見えた。それは、強者になることよりも難しく、勇気がいることだったと思う。

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