山田涼介が放つ“ズレの美学” 『ダメマネ!』スター役で描く、俳優としての現在地

『ダメマネ!』山田涼介が放つ“ズレの美学”

 主人公・美和と真田は、表向きには正反対の位置に立つ。ひとりはどん底の芸能4部で必死にあがく元子役、もうひとりは芸能界のトップを走るスーパースター。しかし、その背景にはどちらも過去の重荷がある。美和は天才子役としての栄光と引き換えに、現在の自分を偽らなければならない。一方、真田もまた、自分の人気や役割に縛られていることが示唆されている。今後の展開でその内面がどのように明かされていくかが、ドラマの流れのひとつとして機能していくことになるだろう。

 さらに注目すべきは、山田自身がRyosuke Yamada名義でリリースした新アルバム『RED』(4月16日発売)から、楽曲「花のように」が挿入歌として使用されている点だ。真田が登場するシーンや、美和を見つめる場面でこの楽曲が流れることで、キャラクターとアーティスト、フィクションとリアルが重なり合う演出が生まれている。

 『ダメマネ!』の第1話の特徴は、構造的に見れば大人気スターの登場という一点に賭けた仕掛けであった。しかし、それが簡単に消費されずに物語の推進力として機能しているのは、ひとえに山田涼介という俳優の表現力によるものだ。完璧さの裏側にある人間らしさ、光の裏にある陰影。『ダメマネ!』という舞台の中で、山田涼介は再び自らのスター像と対峙しながら、俳優としての歩みを一段深く進めている。第2話以降、真田祐士が物語にどう絡んでくるのか。視線の奥に何を抱えているのか。笑いの裏で何を飲み込んでいるのか。その一つひとつに、今後も注目していきたい。

『ダメマネ! -ダメなタレント、マネジメントします-』の画像

ダメマネ! -ダメなタレント、マネジメントします-

川栄李奈が主演を務める人生リベンジコメディー。新人芸能マネージャーにして実は元天才子役の神田川美和が、部長の無茶ぶりに翻弄されながら、崖っぷちタレントたちのために芸能界を駆け回る。

■放送情報
『ダメマネ! -ダメなタレント、マネジメントします-』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:川栄李奈、安田顕、千葉雄大、吉瀬美智子、寺島しのぶ、橋本じゅん、濱田マリ、鈴木仁、永野宗典、古田愛理、倉沢杏菜、増田梨沙、山田涼介
演出:瑠東東一郎、猪股隆一
脚本:宮本武史、岩崎う大(かもめんたる)、西垣匡基
音楽:瀬川英史、鈴木真人
主題歌:東京スカパラダイスオーケストラ 「私たちのカノン(VS. Chevon)」(cutting edge / JUSTA RECORD)
オープニング曲:IVE「DARE ME」 (Sony Music Labels Inc.)
挿入歌:Ryosuke Yamada「花のように」 (ストームレーベルズ)
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:藤澤季世子、池田健司、秋元孝之、大護彰子
制作協力:オフィスクレッシェンド
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/damemane/
公式X(旧Twitter):https://x.com/damemane_ntv
公式Instagram:https://www.instagram.com/damemane_ntv
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@damemane_ntv

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