松嶋菜々子、『王様に捧ぐ薬指』山田涼介&『どうする家康』松本潤の母としての説得力

松嶋菜々子、“松本&山田の母”の説得力

 松嶋菜々子は「年齢を重ねる価値」を高めてくれる俳優だと思う。

 現在放送中の松本潤が主演を務める大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合)と、橋本環奈と山田涼介(Hey! Say! JUMP)が共演するドラマ『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)に母親役として出演中の彼女。数々の作品で主役やヒロインを演じ、同世代の憧れだった俳優が、今は「母」というステージで天高く舞っているーー。

 2019年、23年ぶりに出演した朝ドラ『なつぞら』(NHK総合)で、主人公・なつ(広瀬すず)の母親代わりになった柴田富士子を演じて話題となったが、今年は、同じ時期に2作品で母親役を演じている。いやが上にも期待は高まるばかりだ。

 『どうする家康』では、徳川家康(松本潤)の母・於大の方を演じている松嶋。於大の方は、家康を支える偉大な母だが、家康の正室・瀬名(有村架純)とのあいだに、なかなか子どもが生まれないことに対して「次の子がいっこうに授からぬ……」と、即アウトな発言をぶつける。さらに「もうオナゴとして終(しま)いじゃ、ということじゃ。子を産まなくなったらご用済みなのです」とバッサリ切り捨て、瀬名をブチギレさせたこともあった。

 一方、『王様に捧ぐ薬指』では、大企業「新田ホールディングス」後継者の新田東郷(山田涼介)の母・静役として出演中。貧乏な蒲鉾店の娘・羽田綾華(橋本環奈)と別れさせるために暗躍している。

 作品、役どころ、時代は違うが、同じ時期に母親役をやれば、どうしたって重なる部分がありそうなもの。しかし、松嶋は見事に演じ分けている。ときには「そんな表情をしてくるのか」「その台詞まわしに泣いてしまう!」と鳥肌が立つこともあるほどだ。

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