レオス・カラックスの新作が観られる喜び 『IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー』に涙

レオス・カラックスの新作が観られる喜び

 あれから5年。意外と短いスパンで届けられたカラックスの新作は42分の中編作品。過去のカラックス作品の名シーンから、ホームビデオや写真の数々、そしてジャン=リュック・ゴダールの肉声まで、さまざまな“アート”がコラージュされた自伝的な作品だ。今までのどのカラックス作品とも違う『IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー』には、カラックスの“今ま”でと“これから”が詰め込まれている。

 カラックスの作風は『メルド』以降、明らかに変わった。それは本人も語っているように、「子どもができたこと」が理由だ。今でも愛してやまない『汚れた血』や『ポンヌフの恋人』のような作品はもう作られることはない。それでもカラックスの新作はどんな映画だって観たい。

 『IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー』の劇中、あれだけ憎んだ“メルド”がカラックスと並んで歩いている姿を見て、思わず涙が溢れてしまった。

■公開情報
『IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー』
4月26日(土)より、ユーロスペースほか全国ロードショー
出演:ドニ・ラヴァン、カテリーナ・ウスピナ、ナースチャ・ゴルベワ・カラックス
監督:レオス・カラックス
撮影:カロリーヌ・シャンプティエ
配給:ユーロスペース
フランス/42分/2024年/カラー&モノクロ/1.78:1 原題:C’est pas Moi/英題:It’s Not Me
©2024 CG CINÉMA • THÉO FILMS • ARTE FRANCE CINÉMA
公式サイト:eurospace.co.jp/itsnotme/

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