『なんで私が神説教』『御上先生』『宙わたる教室』 新たな“令和”教師像の共通点とは?

『なんで私が神説教』の“一味違った”教師像

一方で、4月から放送が開始されたドラマ『なんで私が神説教』(日本テレビ系)は、また一味違った教師像を世の中に提示している。
2年間のニート生活を経て、社会復帰の一歩目として高校教師を務めることになった麗美静(広瀬アリス)は、人と接することが苦手で、自分の意見を表に出すことを好まない。さらには初日から、自身を教師として採用してくれた校長であり母の親友でもある京子(木村佳乃)に「辞めたい」と直談判。
見るからに教師には向かない大人だが、彼女の頭の中に意見や考えが何もないわけではない。口に出していないだけで、全体を俯瞰して見ながら状況を整理することに長けている。そのうえで、生徒たちのトラブルを点で捉えるのではなく、クラス全体で起こる面としてフラットに把握している姿が印象的だった。
学校側は生徒たちだけでなく保護者とのトラブルをも避けるため、過度に生徒へ干渉せずに程よい距離感を意識するよう教師側に通告する。それでも、ハラスメントに抵触しないように慎重に言葉を選びながら、ときには厳しく叱ることが求められるなど、絶妙なバランス感覚が必要になってくるのが教師という職業だ。その点で、真剣に言葉を投げかける麗美先生が堂々とカンペを見ながら、一線を引いて生徒たちと向き合っている姿にはとても人間味を感じた。「説教する人物」が必ずしも「熱血教師」とは限らないところも、現代的で新しい教師像と言えるだろう。
これまでは先生側からの「説教」でトラブルが解決していくストーリー構成となっているが、生徒たちが「自分ごと」として問題に取り組んでいけるようになるかが、この物語の分岐点になってくるのではないか。今後は、麗美先生が示した新たな教師像と、生徒たちの関係性の変化にも注目していきたい。
『となりのナースエイド』『イップス』などのオークラが脚本を手掛ける、進学校を舞台とした完全オリジナル作品。他人と本音でぶつかり合えない大人たちに送る新たな学園ドラマ。初の教師役となる広瀬アリスが主演を務める。
■放送情報
『なんで私が神説教』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00〜放送
出演:広瀬アリス、渡辺翔太(Snow Man)、岡崎紗絵、野呂佳代、小手伸也、伊藤淳史、木村佳乃、堀内敬子
脚本:オークラ
演出:内田 秀実、南雲聖一ほか
チーフプロデューサー:荻野哲弘
プロデューサー:藤森真実、白石香織(AX-ON)
音楽:横山克
制作協力:日テレアックスオン
©日本テレビ
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