松嶋菜々子が『あんぱん』登美子を演じるのは運命だった？　戸田菜穂や北村匠海との関係を辿る

　奔放な振る舞いが悪目立ちしてしまっている登美子は、柳井医院の跡継ぎとして嵩を後押しする。貧しい人や社会の弱者を法の力で救いたいという思いから法律家になることを宣言した千尋の代わりに、「この子はやればできる子」だと寛（竹野内豊）に推薦した形だ。登美子の言葉の端々に感じられるのは、嵩への不器用な愛情と今は亡き清（二宮和也）の存在。NHKドラマ・ガイド『連続テレビ小説 あんぱん Part1』のインタビューで、松嶋は「その言動にはうそがなく、愛情に基づいていて、子どもたちにとって最良の環境だと思って選択しているように見えるんです」と答えている。

　優しくて頼りがいのあった清。だからこそ、嵩には父のように立派に育ってほしいという思いが、「この子はやればできる子なんです。自分を信じてみなさい」というセリフに表れている。脚本の中園ミホは同じインタビューにて、「登美子は息子には立派な医者になってほしいと願ったり、その一方で息子を置いて再婚したりと、愛情深い一方、母親のエゴを感じさせる女性です」としながらも、「松嶋菜々子さんが演じると、ピュアで正直な女性に見えてくる。松嶋さんをイメージすることで、安心して思い切り書くことができています」と話している。

　戸田との関係性然り、北村との共演歴然り。まさに松嶋が演じるためにあったとまで思わせるのが、登美子という役だ。

■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送／毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送／毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送／毎週土曜10:15～11:30再放送
出演：今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、志田彩良、二宮和也、瀧内公美、山寺宏一、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、阿部サダヲ、妻夫木聡、松嶋菜々子
音楽：井筒昭雄
主題歌：RADWIMPS「賜物」
語り：林田理沙アナウンサー
制作統括：倉崎憲
プロデューサー：中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出：柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供＝NHK