『あんぱん』北村匠海の“恋の病”が愛らしい 今田美桜の負けん気ヒロインにドキドキ

嵩の育ての父である寛は「人生には替えがきかない」という考えの持ち主だ。医師として、結太郎をはじめ、たくさんの人の死を見届けてきたからかもしれない。妻である千代子とは考えが異なり、嵩にも千尋にも自分だけの人生を歩んでほしいと願っている。そして2人に告げたのが、冒頭で取り上げたあの台詞だ。嵩にとっての喜びは、絵を描くこと。しかし、自信がないのか、千尋に「高知新報」の漫画募集に作品を送ることを勧められているが迷っている。

そんな折、のぶが幼なじみのカッチャンこと貴島勝夫(市川知宏)と再会。幼少期はガキ大将だったが、海軍中尉となり、落ち着きのある大人へと成長を遂げた貴島は、当時の女性にとってまさに理想の男性なのではないだろうか。のぶが貴島と楽しそうに話している姿を見て、胸の痛みを感じた嵩は病院を受診。しかし、それはいわば恋の病であり、寛に「この胸の痛みは治療できん」と告げられ、戸惑う嵩のウブさが愛らしい。
そんな嵩の気持ちも知らず、貴島の推薦により町内の祭りで行われるパン食い競争で朝田パンのあんぱんが使われることが決まって、のぶは大喜びする。優勝賞品がラジオと知り、自分も選手として参加しようとするのぶ。ところが、女子だからという理由で家族から猛反対されるのだ。ただのパン食い競争とはいえ、当時は女性が勝負事に参加するなど言語道断。家族からしてみれば、ガサツにみられてお嫁に行けなくなるかもしれないという心配があるのだろう。「女性は出たらいけんという規則ながですか」と食ってかかるのぶの姿に、幼少期と変わらぬ負けん気の強さが伺えた。
今週から今田と北村はもちろんのこと、朝田家の次女で地元の郵便局に勤める蘭子役の河合優実、高等小学校に通う三女・メイコを演じる原菜乃華、のぶの親友・うさ子を演じる志田彩良、千尋役の中沢元紀など、今をときめく若手俳優が続々と登場。それぞれがわずかな出演の中でもさっそく存在感と個性を放ち、今後の物語に期待が高まる初日となった。
■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、二宮和也、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、妻夫木聡、阿部サダヲ、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK






















