自然過ぎて撮影をストップ? 朝ドラ『ばけばけ』制作統括が明かす髙石あかりのすごさ

幼少期のトキ役には、674人の応募者の中からオーディションで福地美晴(10歳)を抜擢。橋爪は「彼女は芝居がすごくうまいんです。『本当にこの歳?』と思うくらいにお芝居を考えてきてくれるけれど、芝居をすると考えたように見えない。それがすごいなと思っています。天才肌というよりは努力家だけど、その努力が表に出ない。あれだけのキャストに囲まれても物怖じせず、子役っぽくない芝居ができる、大人の役者なんだなと思っています」と評価する。
主人公の幼少期は、約1週にわたって描く予定。現在放送中の『あんぱん』では今田美桜、北村匠海の初回出演が話題を呼んでおり、本作においても「髙石さんとトミーさんは、最初から多少、顔見せしたいなと思っています。ただ、編集次第で変わるかもしれません」と含みを持たせた。
物語に怪談をどう絡めるかも気になるところだが、橋爪は「この物語はラフカディオ・ハーンが怪談を書いて有名になっていく話ではなく、どちらかというとそれより前のトキちゃんやヘブンさんが、何者でもなかった頃。時代に翻弄される中での日常生活におけるおかしみ、不条理さを描きたい」と説明。「もちろん怪談と内容がリンクしていくところはありますが、『あんぱん』のように“アンパンマンを作る”といったところとは少しテイストが違うのかなと。怪談を作ったり語ったりするシーンはありますが、怪談を再現したり、怪談に関わる人物が出てくるということは、今のところは考えていません」と語る。
さらに、「ドラマのテイストとしては、リアルな明治時代を描きたい。ちゃんと彼らの“生活した感”を出したいなと思っているので、“明るく、楽しく、弾ける若さ”という朝ドラではなく、当時の空気感、光や汚れ、人々の感じをリアルに出していく朝ドラにしたいと思いながら作っています。なので、照明、映像、美術は、ちょっとふだんとは違うテイストになっているのでは」と自信を見せ、「今までに見たことのない雰囲気の朝ドラになっていると思う」と期待を煽った。
ロケ地は、松江を中心に島根県内や、熊本県などで選定中。「もちろんロケハンはたくさんしていますが、明治20年を描くとなるとかなり難しくて、いろいろと探しているところです。風光明媚な場所もありますが、“撮影する”という目線で見ると、明治20年ではないものがいっぱいあるので、今は取捨選択をしている段階です」と明かし、ゆかりの地である焼津などでの撮影についても「最後にどのようなドラマのしまい方をするのか、実はまだ決まっていなくて。ふじきさんと3つか4つくらい考えていて、進んでいく中でどれにするか決めようかと話しています」とした。
夫役のトミーもすでに大阪での暮らしをスタートさせており、数シーン撮影も済ませたとのこと。橋爪は「まだ撮影が始まったばかりなので、キャストもスタッフもものすごく情熱をかけて、細かいところまでこだわって取り組んでくれています。それがお芝居にも出ているし、映像も撮れている。このまま息切れせず、最後まで情熱を持って続けられたらいいなと思っています」と締めくくった。
■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、2025年秋~放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ
作:ふじきみつ彦
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー :田島彰洋、鈴木航
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK



















