『セッション』ジャスティン・ハーウィッツが語る、デイミアン・チャゼルへの絶大な信頼

「僕とデイミアンの最もパーソナルな作品が『セッション』」
ーー『セッション』で言うと、どういった部分に彼の才能を感じましたか?
ハーウィッツ:『セッション』はやはりカメラワークとカット割りですね。ニーマン(マイルズ・テラー)とフレッチャー(J・K・シモンズ)のやりとりをカメラで交互に捉えていくスタイル。僕はあのシーンが大好きなんです。もちろん『セッション』のストーリーも素晴らしいです。とにかくデイミアンは常に“パーフェクト”なんです。それに、常に偉大なものを生み出そうという気持ちがあり、そこへ向かうことに全く妥協はしない。まさに『セッション』そのものですよね。だからある意味、僕とデイミアンの最もパーソナルな作品が『セッション』と言えるかもしれません。“偉大”とはどういうことなのか、そのためにはどういう対価が必要なのか、どんな犠牲を払わなければいけないのか、どれくらい努力をしなければいけないのか……それは僕たちのテーマでもあるんです。
ーー2人が映画と向き合う姿勢でもあると。
ハーウィッツ:僕たちの間にはフレッチャーのような冷酷さはありませんけどね(笑)。ただ、フレッチャーのそれ以外の部分を僕たちは持っているし、デイミアンの場合は映画監督として、自分が正しいと思うことを信じて、決して止まることはしない。たとえミスをしたりくじけたりすることがあっても、決して諦めることなく、どこまでも追求していくのが僕たちなんです。常にベターなものを追い求めるのが、僕たち2人に共通していることですね。
ーー2人の間で意見が衝突した場合はどうやって解決するんですか?
ハーウィッツ:彼と知り合ってからの20年間で、はっきりとどちらかが正しいというような判断をしなければいけなかったのは、実は1〜2回くらいしかないんです。僕たちは、もし2人の間で「A」か「B」かで意見が分かれた場合、周りの人たちも含めて「C」という新しい選択肢を探すことをするんです。そうすると、その「C」という選択肢が、クリエイティブな面でより良いものになるんですよね。もしかしたらそういう解決の仕方が、僕とデイミアンが20年も一緒に組んでいられる秘訣なのかもしれません。
■公開情報
『セッション デジタルリマスター』
全国公開中
出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ
撮影:シャロン・メール
編集:トム・クロス
録音:クレイグ・マン、ベン・ウィルキンス、トーマス・クルーレイ
提供:カルチュア・エンタテインメント、ギャガ
配給:ギャガ
2014年/アメリカ映画/カラー/5.1chデジタル/シネスコ/原題:Whiplash
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公式サイト:gaga.ne.jp/session4K/
公式X(旧Twitter):@session4K























