『セッション』リマスター版をジャスティン・ハーウィッツが語る 新場面写真も公開

『セッション』作曲家がリマスター版を語る

 4月4日に全国公開される『セッション デジタルリマスター』。同作の音楽を手がけたジャスティン・ハーウィッツのコメントとメッセージ映像が公開された。

 『セッション』は。『ラ・ラ・ランド』『ファースト・マン』『バビロン』などのデイミアン・チャゼル監督が2014年に発表した長編デビュー作。高校時代にバンドでジャズドラマーとして活躍したが、厳しい指導者に苦悩したチャゼル監督の体験から生まれた自伝的な物語だ。サンダンス映画祭でグランプリと観客賞をW受賞したほか、第87回アカデミー賞では5部門にノミネートされ、助演男優賞など3部門で受賞を果たした。そんな『セッション』が、公開から10年、4K & Dolby Atmosのデジタルリマスターによって蘇る。

 名門音楽大学に入学したニーマン(マイルズ・テラー)はフレッチャー(J・K・シモンズ)のバンドにスカウトされる。ここで成功すれば偉大な音楽家になるという野心は叶ったも同然。だが、待ち受けていたのは、天才を生み出すことに取りつかれたフレッチャーの常人には理解できない“完璧”を求める狂気のレッスンだった。浴びせられる罵声、仕掛けられる罠。ニーマンの精神はじりじりと追い詰められていく。恋人、家族、人生さえも投げ打ち、フレッチャーが目指す極みへと這い上がろうともがくニーマン。果たして、フレッチャーはニーマンを栄光へと導くのか、それともたたき潰すのか。ラストステージで2人が見せる衝撃の“セッション”の結末とは。

 『セッション』を含めこれまでチャゼル監督の全作品の音楽を手がけてきたハーウィッツ。2人は、ハーバード大学在学中に出会って以来、長年に渡りコラボレーションを続けている。チャゼルは、「学生時代に出会った時からただひとつ変わらないのは、作曲は絶対にジャスティン・ハーウィッツに頼むということだ」と過去に語っている。

 3月2日に『ラ・ラ・ランド シネマ・コンサート2025』の公演のため来日したハーウィッツは、『セッション』がデジタルリマスターで公開されることについて、「本当にワクワクしています。僕は『セッション』という作品をとても愛していて、自分にとって一番パーソナルな映画だと思っています。何といっても低予算で、それまでは学生映画しか作っていなかった僕らの最初の作品です。脚本を読んだ時から好きな作品で、大きな期待はありましたが、まさかここまで大きな作品になるとは思ってもいませんでした」とコメント。

 チャゼルとの関係性については、「僕とデイミアンの2人は、ものの見方や世界観というものが全く一緒なんです。僕が彼の映画の音楽を書き、彼が彼の作品で僕の音楽を使うというのは当たり前の状況。また、2人とも、偉大な作品、素晴らしい作品というものを追及したい、ということをテーマとしています。それは『セッション』のテーマでもあるから、パーソナルな作品でもある。容赦なく偉大なものを追求したいという気持ちが2人ともに共通していて、いろいろな面において最高にマッチしているとしか言いようがないんです」と明かした。

 さらに、「アメリカで2024年9月に行われた『セッション』の再上映を観に行きました。大きなスクリーンで再び観ることができて、周りの人たちも『最高!』と言っていました。映画というものは、サウンドしかり、スクリーンしかり、大きな映画館で観るべきものとして作られている。そして、大きなサウンドや大きなスクリーンがあること以上に大事なのは、全くの他人と一緒に映画館で映画を体験すること。それこそが、映画を観ることだと思うのです。Dolby Atmosというのは、とにかく没入感ですよね。特に、(本作のラストシーンの)カーネギーホールでのフィナーレとドラムソロも、より引き込まれてドキドキしながら観ることができるのではないかなと思います」とおすすめポイントについても言及した。

『セッション デジタルリマスター』ジャスティン・ハーウィッツ メッセージ動画

 メッセージ映像では、「『セッション』のファンには(デジタルリマスター版を)楽しんでくれると嬉しいです。僕の大好きな作品だし、自分にとってこの物語は意味があって、刺激を受けて、芸術や音楽を作る上で思っていることが表現されています。『セッション』を初めて観る方にはたくさんある伏線とラストの仕掛けを楽しんでほしいです。映画館で楽しい時間を過ごしてください」とメッセージを寄せ、最後に「『セッション』観て、そして聴いてね!」と締めくくった。

 あわせて、マイルズ・テラー演じるニーマンやJ・K・シモンズ演じるフレッチャーらの姿を切り取った7点の新場面写真も公開された。

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■公開情報
『セッション デジタルリマスター』
4月4日(金)全国公開
出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ
撮影:シャロン・メール
編集:トム・クロス
録音:クレイグ・マン、ベン・ウィルキンス、トーマス・クルーレイ
提供:カルチュア・エンタテインメント、ギャガ
配給:ギャガ
2014年/アメリカ映画/カラー/5.1chデジタル/シネスコ/原題:Whiplash
©2013 WHIPLASH, LLC. All Rights Reserved.
公式サイト:gaga.ne.jp/session4K/
公式X(旧Twitter):@session4K

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