中村蒼が“NHKドラマ”に欠かせない理由 『べらぼう』『東京サラダボウル』などの存在感

さて、そんな中村のキャリアを振り返ってみると、あることに気がつく。彼が「大河ドラマ」に出演するのは『八重の桜』(2013年)に続いてこれがまだ2度目だが、良作を世に放つ「NHK」の作品に数多く出演してきているのだ。
朝ドラは『エール』(2020年度前期)と『らんまん』(2023年度前期)に出演し、前者では主人公の親友を、後者でも主人公と特別な間柄にある人物を演じていた。今回の『べらぼう』で再認識しているところだが、長い期間をかけて制作・放送される作品は誰が主人公を演じるのかも重要であるが、そのすぐそばにいるキャラクターの演者も重要だ。そしてそういったポジションを担っているのが、俳優・中村蒼だというわけである。
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NHK連続テレビ小説『エール』も最終回まで残すところあと2週となった。裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ)を中心に戦後をたくましく…2025年は『べらぼう』以外にも、多くのドラマファンから厚い支持を集めた『東京サラダボウル』で主人公のひとりである有木野(松田龍平)の心を癒す最愛の人物・織田覚として重要な役どころを担い、2024年の話題作のひとつである『宙わたる教室』では主人公の藤竹(窪田正孝)の大学同期でJAXAの准教授である相澤努役を担い、脇から作品を支えていた。2023年に放送された『大奥』Season2「医療編」で徳川家斉を好演していたことも記憶に新しいし、『センゴク 〜大失敗したリーダーの大逆転〜』(2022年)やNHKスペシャル『詐欺の子』(2019年)といった主演作もある。中村は製作陣から高い信頼を得ているのだろう。『べらぼう』で主人公の兄役に配されたのにも納得である。
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『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』『燕は戻ってこない』などを放送してきたNHKドラマ10の新たな名品『東京サ…これから『べらぼう』の世界はさらに広がり、物語は加速していくことになるはず。中村の安定した仕事ぶりが、この作品全体の安定感にもつながっていくのだろう。
■放送情報
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』
総合:毎週日曜20:00〜放送/翌週土曜13:05〜再放送
BS:毎週日曜18:00〜放送
BSP4K:毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:横浜流星、小芝風花、渡辺謙、染谷将太、宮沢氷魚、片岡愛之助
語り:綾瀬はるか
脚本:森下佳子
音楽:ジョン・グラム
制作統括:藤並英樹
プロデューサー:石村将太、松田恭典
演出:大原拓、深川貴志
写真提供=NHK
























