アレクサンドル・アジャによるスラッシャームービー 『ハイテンション』4K、6月6日公開へ

ホラー映画『ハイテンション』が4Kで蘇る

 アレクサンドル・アジャ監督作『ハイテンション』の4Kバージョンが、6月6日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開されることが決定した。

 『ハイテンション』は、『ヒルズ・ハブ・アイズ』や『ピラニア3D』などのリメイクを手がけ、現在もハリウッドを拠点に活躍するアジャが2003年に発表したフランス製スラッシャームービー。

 女子大生のマリーは親友のアレックスとともに、彼女の実家に車を走らせる。2人は都会の喧騒を逃れ、静かな田舎で試験勉強に励む予定だった。夜遅くにようやくアレックスの実家に到着した2人だったが、その直後、トラックに乗った謎の中年男が玄関先に現われ、手にした刃物でアレックスの両親と弟を次々と惨殺する。物陰に隠れ、必死で息を潜めるマリー。ところが、今度はアレックスが殺人鬼に捕まり、トラックで連れ去られてしまう……。

 マリー役で主演を務めたのは、『スパニッシュ・アパートメント』などのセシル・ドゥ・フランス。アレックス役は『フィフス・エレメント』のマイウェン、殺人鬼役は『カルネ』のフィリップ・ナオンがそれぞれ演じた。

 22年ぶりの劇場公開にあわせて新たに制作されたポスタービジュアルは、“血”を想起させる深紅をメインカラーとして大胆に配色。血に汚れた主人公の女子大生マリー(セシル・ドゥ・フランス)がワイヤーや楔が絡まりついた鋭利な角材を手に持ち、「ぶっ殺してでも、あんたを助ける。」のセリフとともに鋭い眼光でこちらを見つめる様子が描かれている。

 場面写真では、血まみれでチェーンソーを手にするマリーの姿やナイフを向ける何者かに助けを乞う姿、血飛沫を浴び絶叫する親友アレックス(マイウェン)、殺人鬼(フィリップ・ナオン)に拘束されたアレックスを助けに来たマリー、さらに血みどろの謎の中年男の姿まで、一筋縄ではいかない本作の様子を伝える様子が切り取られている。

 さらに、映画評論家・映画監督の小林真里からの推薦文も到着した。

小林真里(映画評論家/映画監督)推薦文

21世紀エクストリーム・ホラーのパイオニア『ハイテンション 4K』がついに映画館に襲来!
2000年代初頭、ホラー不毛の地フランスで突如勃発したニューウェイブ・オブ・フレンチホラー・ ムーブメントの先陣を切り、フランス発のホラー映画を世界的に認知させる大きなきっかけとなった記念碑的作品が、アレクサンドル・アジャ監督の長編2作目『ハイテンション』(03)だ。
同胞の『屋敷女』(07)や『マーターズ』(08)のみならず、ジェームズ・ワン監督の『ソウ』(04)やイーライ・ロス監督の『ホステル』(05)といった、ホラーファンの誰もが知る2000年代を代表するハリウッドのエクストリームなホラーよりもいち早く、この衝撃作が誕生していた意味も極めて大きい。若い女性が主人公のエクストリームなゴア描写と意表を突くツイストを含むスラッシャーに、ダークなサイコロジカルホラー、時に繊細で屈折したラヴストーリーをも融合した、フランス人特有の感性が込められた濃厚な組み合わせが独創的な『ハイテンション』は、20年以上経った今も決して色褪せることがない。
近年ジュリア・デュクルノー監督の『TITANE/チタン』(21)がカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝き、コラリー・ファルジャ監督のボディ・ホラー『サブスタンス』(24)がアカデミー賞で作品賞を含む5部門にノミネートされるなど、フランス人監督によるホラーの隆盛が顕著だが、その源流にあるのが『ハイテンション』なのだ。また同作のシニシズムと虚無的なエンディングは後世のホラーに脈々と受け継がれているが、その代表的作品がアリ・アスター監督の『ミッドサマー』(19)であり、オズ・パーキンス監督の大ヒット作『ロングレッグス』(24)だろう。
そう考えるとこの2025年 は、『ハイテンション』を再訪、もしくは初体験するのに絶好のタイミングではなかろうか? 映画館の大スクリーンで洗練された4Kバージョンを観られるこの機会を、決して見逃すな!

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■公開情報
『ハイテンション4K』
6月6日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
出演:セシル・ドゥ・フランス、マイウェン、フィリップ・ナオン、フランク・カルフン、アンドレイ・フィンティ、ワーナ・ペリーア
監督・脚本:アレクサンドル・アジャ
撮影:マキシム・アレクサンドル
美術:グレゴリー・ルヴァスール
特殊メイク:ジャンネット・デ・ロッシ
音楽:フランソワ・ウード
提供・配給:キングレコード
2003年/フランス/ホラー/91分/ビスタサイズ/5.1ch/R15+
©2003 ALEXANDRE FILMS / EUROPACORP
公式サイト:hightension4k.jp
公式X(旧Twitter):https://x.com/hightension4k

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