『まどか26歳』が教えてくれた人生の“選択” 芳根京子主演で続編『まどか◯歳』も希望!

考えてみれば、病院という場所ほど否が応でも多くの人が日々「選択」を迫られる場所はない。思わぬ怪我で救急搬送される人もいれば、「まさか」という大病が見つかる人もいる。命を優先して大切な体の一部を手放すのか。あるいは、失った部分を再建するのか。なかには、先の短い人生を前にどのように過ごすのか……という選択を迫られている人もいる。そうした難しい選択をした患者と向き合う家族や医療スタッフたちの姿からも、また考えさせられるものがあった。

まどかが大事にしてきたのは、とことん患者たちの声に耳を傾けること。それはまだまだ駆け出しの研修医にできる唯一のことだったのかもしれない。しかし、どこかが痛むときさすってくれる手が、どんな薬よりもずっと体と心を楽にしてくれることがあるように、選択を迫られた人にとって気持ちを受け止めてもらうことが持つ意味は大きい。
「こうしよう」と心を決めたはずなのに、迷ったり、弱気になったり。ときには感情とともに涙がこぼれてしまうことも。そうして患者たちの本音を受け止めながら、まどか自身も決断する覚悟を固めていく。自分にしかできないことが、自分のやりたいことと一致していく。医師としてや、人として、女性として……と、ときに自分の中で優先順位が異なるように感じられる場面がある。しかし、本当にやりたいことは体が思わず動くと、このドラマではシンプルに答えてくれた。
今やるべきことに集中し、コツコツと続けてきたからこそ見つかる答えとも言えるかもしれない。まどかも、目の前の患者と全力で向き合い、最期まで寄り添う医師になりたいと、自分の進むべき道を見出した。そして、それを実現するためにまどかは外科的にも内科的にもアプローチができる泌尿器科へ進むことに決めたのだった。

旅立つ人がいれば、生まれてくる人もいる。患う人がいれば、それを治す経験を積む人がいる。それぞれが自分の持つ役割を見据えて、誰かの役に立とうと命を燃やす。このドラマはそんな人たちばかりが登場するからこそ、人生に対してさらにポジティブな気持ちで選択を続けていこうという気持ちになった。
そして打算的に物事を進めなくとも、目の前のことに誠実に向き合い続けることで、「この道かもしれない」と思える何かをつかめる瞬間があるという希望も感じられた。まだまだ始まったばかりのまどかと菅野(鈴木伸之)との恋愛模様も、彼女の結婚・出産という大きな選択の序章とも言える。そう、彼女の人生の選択はまだまだ続くのだ。いつか『まどか◯歳、専門医やってます!』となって、また新たな人生の岐路に向き合うまどかの姿が見たいものだ。
“お医者さんだって、幸せになりたい!”と願う主人公の研修医が、変わりゆく医療現場で戸惑いながらも、ベテラン医師たちの試練に立ち向かい、同期の仲間たちと励まし合って、医師として女子として、人生と向き合う姿を描く。
■配信情報
火曜ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』
TVer、U-NEXTにて配信中
出演:芳根京子、鈴木伸之、髙橋ひかる、大西流星、吉村界人、小西桜子、渡邊圭祐、堀田茜、佐野弘樹、岩男海史、小松利昌、信川清順、板倉俊之(インパルス)、森カンナ、赤堀雅秋、溝端淳平、佐藤隆太、木村多江、奥田瑛二
声の出演:大塚明夫、大谷育江
原作:水谷緑『まどか26歳、研修医やってます!』『あたふた研修医やってます。』『離島で研修医やってきました。』(KADOKAWA刊)
脚本:前川洋一、船橋勧、松井香奈、村野玲子、原野吉弘
音楽:伊賀拓郎
主題歌:星野源「Eureka」(スピードスターレコーズ)
演出:井村太一、山本剛義、大内舞子
プロデュース:塩村香里、松本桂子
編成:武田梓
製作:TBSスパークル、TBS
©TBS
©Midori Mizutani/KADOKAWA
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/madoka26_tbs/
公式X(旧Twitter):@madoka26_tbs
公式Instagram:madoka26_tbs
公式TikTok:@madoka26_tbs























