『アイシー』氷月は父親と対峙して何を思う? 最終回前に振り返りたい柊班との関係性

一方、心配した柊班の班員たちは、氷月の居場所を突き止め、もう瑞江のようなことは起きてほしくないと、説得を試みる。すると氷月は「忘れられないことが耐えられなかった。だから20年前の記憶が蘇らないようにずっと蓋をして生きてきた」「でも自分の中の憎しみがそれを許さなくて」「あいつが許せない」とついに弱さを吐き出す。やっと自分の中で冷凍保存をしてきた記憶を解凍して、苦しみと向き合う日がやってきたのだ。
氷月が夏見を殺してしまうのではないか。
誰もがそう懸念している。氷月自身も、内に眠る憎しみが制御できなくなってしまうのではないかという恐怖に蝕まれている。自分をも信用できない状況だが、決着をつけるしかない。

氷月が、何度もフラッシュバックして苦しかったと語るように、私たち視聴者も第1話から何度も何度も彼女と同じ目線で“父親が母親を殺す場面”を目にしてきた。思い出したくないのに、記憶を消すことができない。彼女の辛さは想像を絶するものだろう。
「君を死なせないし、君に誰も殺させない」と話す土屋とともに、決意の表情を見せる木皿(倉悠貴)と穂村(森本慎太郎)。ついに父親と対峙した氷月は、受け取った拳銃をそのまま父親に向ける。

氷月は冷血に見えるが、熱い気持ちに心が動かされる人間だ。決してサイコパスではなく、憎しみに負ける性格でもない。夏見が何か真実を隠しているような、意味深な表情を見せているのもよくわかっていることだろう。父親のことを許したわけではないが、刑事として事件に隠された本当のことを信念をもって追い求めるはず。弱さと強さを合わせ持つ人間らしい氷月が新たな未来を切り開く姿を、柊班の班員たちと同じく、最後まで優しく見守りたい。
“カメラアイ”と呼ばれる瞬間記憶能力を持つ女性刑事・柊氷月が、忘れたくても忘れられない過去と向き合いながら、癖のある刑事たちとともに事件解決に奮闘していく刑事ドラマ。
■放送情報
『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~』
フジテレビ系にて、毎週火曜21:00~放送
出演:波瑠、山本耕史、森本慎太郎(SixTONES)、倉悠貴、柏木悠ほか
脚本:髙橋悠也
演出:佐藤祐市、城宝秀則
編成企画:日高峻
プロデュース:芳川茜
制作:フジテレビ
制作著作:共同テレビ
©︎フジテレビ
公式X(旧Twitter):https://x.com/eyesee_fujitv
公式Instagram:https://www.instagram.com/eyesee_fujitv/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@eyesee_fujitv























