2025年春が“青山剛昌作品祭り”に! 『名探偵コナン』『真・侍伝 YAIBA』の作画に注目

そんな青山の『コナン』に次ぐ代表作が『YAIBA』だ。『週刊少年サンデー』(小学館)で1988年から1993年にかけて連載され、『剣勇伝説YAIBA』(テレビ東京系)のタイトルで1993年から1年にわたってアニメ放送もなされた同作だが、この4月より新たに『真・侍伝 YAIBA』のタイトルで読売テレビ・日本テレビ系列にて放送される。この『真・侍伝 YAIBA』についても作画に注目してみよう。
『真・侍伝 YAIBA』の作画を考える上で忘れてはならないのが原作コミックの『YAIBA』が30年以上前の作品であるということだ。現在進行系で原作が進んでいる『コナン』に対し、30年以上前の作品である『YAIBA』原作の絵は当時の青山剛昌らしいコメディテイストなタッチが印象的だ。ミステリーである『コナン』の絵はシリアスさを強化しているのに対し、アクションでありギャグのテイストも強い『YAIBA』は『コナン』の画風と比べても味わいが異なる。もちろん、青山の画風そのものもこの30年で大きく変化している。

そんな『YAIBA』を現代でどうアニメーション化するのか。既に公開されているPVを見ると、上述した『YAIBA』ならではのキャラクターのタッチや造形はそのままに、背景や演出は現代風にアップデートされている様が印象的だ。これを見る限り『真・侍伝 YAIBA』は当時と現代、それぞれの良いところを活かす作品になっていそうだ。原作や『剣勇伝説YAIBA』を楽しんでいた往年のファンだけでなく、これまであまり『YAIBA』という作品に触れてこなかった層にも波及できるポテンシャルが感じられる。
近年の劇場版作品ではアクションシーンが注目を集めることも多い。2024年公開の『100万ドルの五稜星(みちしるべ)』ではコナンが函館山のロープウェイのロープ上を激走したり、平次がセスナ機上で決闘を繰り広げたりと、アクションシーンも魅力のひとつとなっている。そんな『コナン』を知っているからこそ、『真・侍伝 YAIBA』におけるアクションシーンにも期待がかかるというものだ。この30年でアニメーション技術は飛躍的な向上を遂げた。上述した現代風の演出もこのアニメーション技術の向上によるものも大きい。30年の技術向上によって『YAIBA』のキャラクターたちが一層イキイキと動く様にも期待したい。
『隻眼の残像』公開にあわせて『金曜ロードショー』(日本テレビ系)では4月4日より3週連続で劇場版作品が放送される予定となっている。劇場版作品はもちろん『名探偵コナン』アニメシリーズや『真・侍伝 YAIBA』を作画という切り口から楽しんでほしい。
参照
※ https://www.cinematoday.jp/news/N0139245
■放送情報
読売テレビ・日本テレビ系にて、毎週土曜18:00〜放送
キャスト:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也ほか
原作:青山剛昌(小学館『週刊少年サンデー』連載中)
チーフプロデューサー:竹綱裕博、石山桂一
プロデューサー:吉田剛志、藤堂真孝
アソシエイトプロデューサー:近藤秀峰
監督:山本泰一郎、鎌仲史陽
音楽:大野克夫
キャラクターデザイン:須藤昌朋
美術監督:吉原俊一郎(美鋒)
色彩設計:中尾総子
撮影監督:小川隆久、吉田雅紀
音響監督:浦上靖之、浦上慶子
編集:岡田輝満
ストーリーエディター:飯岡順一、小宅由貴恵
制作担当:福西将士
原案協力:大嶋一範、堂本強介、小笠原僚也、薄谷正和
音響制作:AUDIO PLANNING U
公式サイト:https://www.ytv.co.jp/conan/






















