『おむすび』「夢ノート」が変わらないメッセージの象徴に 予告に大騒ぎの“朝ドラ受け”も

『おむすび』大騒ぎの“朝ドラ受け”

 『おむすび』(NHK総合)も、いよいよ残り3週。第23週「離れとってもつながっとうけん」では“最終章”とも言える怒涛の展開となることが20秒の予告からも十二分に伝わってきており、『あさイチ』(NHK総合)の“朝ドラ受け”でも大騒ぎになるほどだ。

 そんな第23週へと繋がる第22週「理想と現実って何なん?」では、菜摘(田畑志真)と結(橋本環奈)のコンビニ弁当開発を主軸に、登場人物それぞれの理想と現実を描いていった。

 菜摘が豊岡部長(隈本晃俊)へのプレゼンの決め手として用意していたのは、「栄養はエエヨ〜〜キャンペーン」と題したフレイル予防の大切さを知らせる試作だった。フレイルとは、高齢者の健康な状態と要介護状態の中間の段階を指す。低栄養を防ぎ、しっかりご飯を食べる大切さを伝えること、栄養の知識のアップデートを促すことは、食を取り扱う企業として意義があることだと訴える菜摘。結も病院に患者が一人も来ないことが理想だが、それが現実的でないことも分かっている、その上で全員は無理でも徐々に入院患者を減らすこと、その第一歩の予防が食事だと、管理栄養士としての目線から菜摘のプレゼンを後押しした。

 菜摘の提案に、豊岡はついにOKを出す。豊岡が「大きいプロジェクトになるかも」と言うのは少々虫がいい気がするが、「彼女は見どころがあるので厳しく教えてきたつもり」と塚本(濱田マリ)に言い訳をして、今は令和だと教え方を注意されるのも、理想と現実ということだろうか。

 ほかにも歩(仲里依紗)がギャル雑誌の編集者であるリサポン(田村芽実)にビジネスとして頼み込んだ「キングオブギャル」の商品掲載、聖人(北村有起哉)の理容師競技大会への出場など、様々な理想と現実がある中で、印象的なのは翔也(佐野勇斗)にとっての「サクセスロードマップ」が花(宮崎莉里沙)へと受け継がれていくことだ。プロのサッカー選手を目指す花にどう接していいのか分からなくなっていた、結と翔也。「もう2人とも全然分かってないな」と呆れ顔で花が部屋から持ってきたのは、かつて翔也が高校生の時に書いていた「夢ノート」だった。花はプロ野球選手の夢を断念した父の思いを受け取り、「これからパパの夢の続きは花が叶えたい」とオリンピックに出場するようなプロサッカー選手になることを誓う。そこにも理想と現実はあるものの、「夢は何回でも書き換えればいい」と翔也と結、ひいては『おむすび』のメッセージ性は一貫して変わりはしない。

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