佐野勇斗の“元サッカー少年”だからこそのリアリティ 『おむすび』制作陣が大切にした“継承”

NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。
第22週では、結が高齢者向けの弁当開発に注力する一方で、娘の花(宮崎莉里沙)が10歳以下の女子サッカー大阪代表に選ばれる。ところが、「なでしこジャパンに入ってオリンピックに出る」と意気込む花に、翔也(佐野勇斗)は「まだ代表に入っただけだ、浮かれるな」と厳しく接するなど、プロ野球を目指していた頃の“スポ根”が復活。愛子(麻生久美子)のセリフにもあったように、懐かしの“ヨン様時代”を思い出させた。

第108話では、花がシュートミスをしたことで試合に敗北。結は「次、がんばろう」と励ますが、「パパはガッカリする」と花。そこで結は「花は花のために(サッカーを)やるべき」と声をかけるが、「そんなんわかってる」と反発されてしまう。
娘の成長とともに育児の難しさを痛感する結と翔也。だが、第110話で花が見つけた“四ツ木翔也 夢ノート”をきっかけに、家族みんなでがんばっていこうと決意。かつてプロ野球の道を断念した父の思いが、娘に引き継がれる展開となった。

制作統括の真鍋斎は「我々にとっても、あのノートはとても大事なもので。翔也は夢の途中で挫折してしまうわけですが、『何か引き継がれるとしたらなんだろう』と考えたときに、やはりあのノートだったんですね。翔也が捨てられずに持っていて、それを花が見つけてお父さんの思いを知る。“次世代へのバトン”ということだけでなく、“登場人物の思い”としても大事にしたいところでした」とし、「突発的に『あ、いいこと思いついた』ということではなく、脚本の根本(ノンジ)さんの中にも『たとえボールやグローブは捨てたとしても、あのノートだけは取っておくよね』という思いがありました」と続けた。
佐野は、本作で父親役に初挑戦。制作統括の宇佐川隆史は「花ちゃんと一緒にいるときには本当に親子のように和やかで、お芝居もその延長線上にあるような雰囲気でした」と、佐野と宮崎の自然なやり取りを振り返る。




















