松坂桃李「30代最後の作品に」 大河ドラマ『逆賊の幕臣』への揺るぎない覚悟

主人公の小栗上野介忠順は、“逆賊”として歴史の闇に葬られた人物で、歴史の授業などでもほとんど習うことはない。人物像としては、非常に頭が切れるが、人間的には少し欠けている部分もある。勝田は小栗を“ギフテッド”と例え、「空気が読めないところがあって、上司に進言してはすぐ辞めるとか辞めろと言われて、70回もお役替えになったという伝説が残っています。しかし、70回辞めても70回呼び戻されるというぐらい優秀な方だったということかと思います」とエピソードを話している。

小栗については松坂も、安達もその存在を知らなかったという。クランクインは2026年夏の予定。「それまでに小栗さんを徹底的に調べて、自分の体に落とし込んで現場に入っていこうかなと思っております」と意気込む松坂に、安達は「なぜ知らないのだろうということを考えます。調べたり、教えられたりすると本当に大変な活躍をされた方なんですね。江戸末期を一人で支えたと言ってもいいのではないかというぐらいの方で、それなのに、なぜ私たちは彼のことを知らないのだろうということを一緒に考えていきたいと思っております」とコメントした。

会見終わりには、勝田の囲み取材が行われた。勝田は、これまで松坂が出演した2012年度前期放送の朝ドラ『梅ちゃん先生』、2014年度大河ドラマ『軍師官兵衛』、2021年放送の土曜ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』の3本で、制作統括を担当している。松坂の演技力や人柄はもちろん、人物の思いを的確に捉えてくださると役者としての魅力を話し、小栗を演じる上で「品格と知性、安心感、人間的に欠けた部分の魅力を表現していただける」と松坂のキャスティング理由を明かす。

大河ドラマの執筆は今作が初となる安達については“優しい作品”の印象がある一方で、『サギデカ』、『透明なゆりかご』、『お別れホスピタル』といったヒューマンドラマや、NHKスペシャル未解決事件『File.09松本清張と帝銀事件』のようなサスペンスドラマを描く技量も持ち合わせていると語る。「今回のような幕末の動乱期のスリリングで熱い人間ドラマを書いていただくには頼りになる方」と紹介した。
■放送情報
大河ドラマ『逆賊の幕臣』
NHK総合にて、2027年放送
2026年夏、クランクイン予定
主演:松坂桃李
脚本:安達奈緒子
制作統括:勝田夏子
演出:西村武五郎






















