鳥山明の命日に完結 『ドラゴンボールDAIMA』は最後まで“鳥山ワールド”ゼンカイだった

もうひとつ興味深かったのは、悟空が自らの変身を超サイヤ人4であると名言したことだ。魔人ブウを倒したあとに特訓して習得したことを明かしていたが、これによって正史に位置づけられることになった。そのあとの「超サイヤ人のバーゲンセールだな」というベジータのメタ視点を含んだセリフにはクスッと笑ってしまった。

最後には『ドラゴンボール』らしいオチが。薬虫を手に入れるために、第3魔界にあるショップを再訪した悟空たち。なんとそこにはサードアイが平然と売られていたのだ。鳥山らしいユーモアのあるラストだった。
悟空たちが大魔界を後にし、新たな冒険へと旅立つ姿は、まるで鳥山が遺した『ドラゴンボール』の世界が、これからも形を変えながら進化し続けていくことを象徴しているようだった。物語の幕引きには、どこか寂しさが漂うものの、それ以上に終わりは新たな始まりであることを強く印象づける演出が施されていた。これは、かつて『ドラゴンボールZ』の最終回で悟空がウーブと共に飛び立ったシーンを彷彿とさせるものでもある。あの時も、悟空は過去に別れを告げ、新たな未来へと踏み出した。

それは、鳥山が築き上げた世界が、一つの区切りを迎えながらも、決して終わることなく、次世代へと引き継がれていくことを示唆しているのかもしれない。悟空たちの旅立ちは、制作陣の鳥山への敬意とともに、これからもドラゴンボールの物語は続いていくというメッセージそのものだったのではないだろうか。鳥山が生み出した『ドラゴンボール』という壮大な物語は、時を超えて愛され続け、その精神はこれからも新たなクリエイターたちによって受け継がれていく。ファンもまたその冒険を見守り続け、悟空たちと共に未来へと歩みを進めていくことだろう。
原作者の鳥山明さんがまったく新しいエピソードを執筆した『DRAGON BALL』の完全新作アニメシリーズ。鳥山さんが原作、ストーリー、キャラクターデザインほか、乗り物やモンスター、モブキャラクターなどのたくさんの設定を描き下ろした。
■配信情報
『ドラゴンボールDAIMA』
各種配信サイトにて配信中
原作・ストーリー・キャラクターデザイン:鳥山明
シリーズディレクター:八島善孝、小牧文
アニメーションキャラクターデザイン:中鶴勝祥
シリーズ構成・脚本:柿原優子
©バード・スタジオ/集英社・東映アニメーション
公式サイト:https://dragonballdaima.com/
公式X(旧Twitter):https://x.com/DB_official_jp






















