『おむすび』橋本環奈の言葉に滲む“母”としての説得力 聖人には朝ドラ定番の“フラグ”も

『おむすび』橋本環奈の“母”としての説得力

 『おむすび』(NHK総合)第19週のタイトルは「母親って何なん?」。低栄養状態で、肝機能障害を起こしている患者・曽根麻利絵(桧山ありす)と結(橋本環奈)の物語を中心にして、愛子(麻生久美子)の『うちのギャルさん』書籍化の話を経てのブログ閉鎖などが描かれている。タイトルにある通り、様々な母親の中の1人として、結の母としての視点が色濃く映し出されている週となっている。

 第95話にて、結は退院すると騒ぎになっている麻利絵の病室に駆け込む。痩せにくくなったのは全て母・紗英(潮田由香里)のせいだと当たり散らす麻利絵を、結は優しく諭していく。「親って、自分のことより自分の子供のことが何より大切なんよ」というセリフは、結自身も母親になったからこそ説得力を持つ言葉だ。沙智(山本舞香)やスズリン(岡本夏美)のインサートにもハッとさせられる。「好きなことやろうよ。そのためにはしっかりごはん食べて、必要な栄養量をとって健康になろう。それから、好きなことを目いっぱい楽しもうよ。ね?」と笑顔の結に、ゆっくりと頷く麻利絵。栄養食事指導を受け、麻利絵は食事をとるようになっていった。

 結が担当している糖尿病患者の磯山八重子(徳田尚美)は病状が改善し退院したものの、数日後に緊急搬送されてしまった。膵臓に腫瘍が見つかり、外科医の蒲田(中村アン)が緊急手術を行い、一命を取りとめたのだった。結は蒲田から厳しく問いただされる。食事療法をしていて何も気づかなかったのか、と。八重子の夫・伸彦(や乃えいじ)からも叱責を受け、「どこか思い上がっとった」と落ち込む結に、娘の花(宮崎莉里沙)が自分で握ったおむすびを差し出す。「おいしいもん食べたら悲しいこと、ちょっとは忘れられるやろ? だから、食べり」と花の不揃いのおむすびを頬張り、花を真ん中にして結、翔也(佐野勇斗)の家族に笑顔が戻っていく。米田家に代々伝わる言葉であり、『おむすび』の根底にある考え方が、花にもしっかりと受け継がれていることが分かるとともに、結が花に接してきた時間も伝わるシーンだ。

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