『おむすび』“翔也”佐野勇斗の職業をなぜ理容師に? 制作統括「これ以上ない職業」

『おむすび』翔也の職業をなぜ理容師に?

 NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。

 結の夫・翔也(佐野勇斗)は、プロ野球選手をめざして星河電器の社会人野球部に所属していたが、ケガによってその道を断念。以来、同社の総務部で勤務を続け、最近は休日に結の両親が経営するヘアサロンヨネダの手伝いをしていた。

 第18週では、そんな翔也が聖人(北村有起哉)の仕事ぶりに感化され、理容師になりたいと言い出す。第19週には聖人と愛子(麻生久美子)の許可を得てヘアサロンヨネダで働き始めるが、多くの選択肢がある中で、なぜ翔也の職業を理容師としたのか。

 制作統括の真鍋斎は「翔也が挫折したあとの選択肢として、『食品会社に勤めて管理栄養士である結と一緒に何かできないか』などと、いろいろな可能性を根本ノンジさんと共に模索しました。ですが、せっかく商店街、あるいは家業という要素があって、いずれは跡取りの問題も出てきます。さらには結もサラリーマンといえばサラリーマンなので、“それぞれが会社(病院)組織の中で働いている”という構図になります。もちろん、それがいけないわけではないですが、翔也が理容師を選ぶことで、よりバリエーション豊かな仕事の在り方を通して物語を組むことができる、地域の中で物語を展開していける、というのが一番のメリットであり、狙いでもあります」と明かす。

 聖人と愛子は、ヘアサロンヨネダを訪れる地元住民の“相談役”にもなっており、これはショッピングセンターではなく地域密着型の商店街だからこそできること。

 真鍋は「管理栄養士として結が寄り添っているのは、機械やシステムだけではなく個々の患者、つまりは人間ですよね。同じように翔也が人と向き合う姿を描きたいと考えたときに、やはりダイレクトに客の顔が見えて、至近距離で会話をするような仕事がよかった。これらの点を踏まえて、ベストな選択として翔也の職業を考えました」と説明した。

 同じく制作統括の宇佐川隆史は「やはり“心を整える”というところですよね。これまで結が病院編も含めて体現してきた“体だけでなく心も整えていく”というところを、翔也も違う面から感じて、家族の絆を深めていく流れになっています」と語る。

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