『秘密~THE TOP SECRET~』池脇千鶴の役者魂に喝采 “鈴木”中島裕翔の死に謎が?

『秘密』池脇千鶴の役者魂に喝采

「みんな死んで、もう誰も語る口を持たないから」

 『秘密~THE TOP SECRET~』(カンテレ・フジテレビ系/以下、『秘密』)第2話には、今作の核心に関わるシーンが含まれていた(※本記事には本編の内容が含まれます)。

 銃声を耳にして、薪(板垣李光人)が目にしたのは、倒れている第九の捜査員だった。鈴木(中島裕翔)は銃口を自身に向けて言った。「俺の頭を撃ってくれ」。『秘密』の分水嶺となる鈴木の死の発端は、貝沼(國村隼)だった。

 死者の脳を特殊なMRIスキャナーにかけて、生前の記憶を取り出すMRI捜査。その技術を開発したのが大学教授の貝沼である。貝沼は脳科学の権威で、薪とも親交があった。進行性の精神疾患に罹患していた貝沼は自ら死を選び、脳を第九へ献体。ただし薪には画像を見せないように厳命した。

 貝沼の脳に残された記憶は、自ら手にかけた殺人の記録。その数は28人。しかも研究のために死者の脳を取り出していたというのだ。あまりにおぞましく、想像するだけで吐き気をもよおす。「薪剛くんへのプレゼント」と言った貝沼は、第三者に脳を見られる前提で命を絶った。第九室長の薪が内容を知ることも想定していたはずだ。貝沼の記憶を見た鈴木は自分を撃つように懇願し、薪に撃たれて死んだ。

 22時台とはいえ、なかなかハードな内容である。大親友の2人を引き裂いた悲劇から時間経過があり、ほっとしたのもつかの間、さらに凄惨な展開が待ち受けていたのだが、それを緩和したのは第九の新メンバーだった。制作発表会見で岡部靖文役の高橋努は年長者としてムードメーカーに徹していたが、第2話でも年下の上司に対して世話焼きの一面を見せた。

 出番の少なかった中島裕翔に代わって、高橋が板垣演じる薪のサポート役に回る。メンバーを一新した第九は、事件の反省からか岡部以外にも濱津隆之演じる曽我など現場経験豊富な顔ぶれで構成されており、これなら撃たれても簡単に死ななそうだ。原作から抜け出てきたような岡部は薪にない要素を持っており、メリハリのある役づくりが効果的だった。岡部の地に足の着いた存在感は第2話後半の安心要素になっていた。

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