『アンサンブル』川口春奈×松村北斗のぎこちない恋模様 宇井の娘・咲良の正体とは

『アンサンブル』ぎこちない恋模様

 “リーガルラブストーリー”と銘打ちながらも、第2話だった前回の時点でエピソード中に占められる“恋愛トラブル裁判”の割合がかなり少なくなっていた『アンサンブル』(日本テレビ系)。2月1日に放送された第3話では、とうとう(というか早くも)“リーガル”の要素が完全になくなってしまっていたわけで、その点は少々気掛かりなところ。そのぶん瀬奈(川口春奈)と真戸原(松村北斗)のぎこちない恋模様に全振りし、ふたりを取り巻く周辺人物――いわば“アンサンブル”を形成する者たち――の描きに注力するねらいであったのならばいいのだけれど。

 近いうちに雪が降ると天気予報で知り、真戸原から借りたマフラーを返しながらデートに誘おうとするも、自信が持てずに踏み出せずにいる瀬奈。一方、真戸原は妹・凛(香音)がストーカートラブルに巻き込まれていて思い悩むことに。そんななか、祥子(瀬戸朝香)が宇井(田中圭)の娘・咲良(稲垣来泉)を数日預かることになり、彼女の面倒を任される瀬奈。咲良との距離の取り方に苦悩する瀬奈に真戸原は、咲良と彼女が想いを寄せているクラスメイトを誘ってダブルデートに繰り出そうと提案するのだ。

 咲良から恋の悩みを打ち明けられても的確に答えることができない瀬奈。自分に自信が持てず、“好きバレ”を恐れ、もしダメだったらとネガティブなことを考えて何もできなくなる。そんな咲良に、瀬奈は自分自身の恋愛観を重ねているのは明らかではあるが、それがそもそもの性格に由来するものなのか、はたまた瀬奈のように過去のトラウマ(しかもその元凶が咲良の父親である宇井なのだが)があってのことなのかでは、対処の仕方もまちまちであろう。

 そういった意味で、ダブルデートの終盤で気球に乗るシーンは、そのわかりやすい比喩といえよう。想像以上の高さに怯む瀬奈と咲良。瀬奈は隣にいる真戸原に「僕がついてますから」と声をかけられ、身体を支えられ、目を開けるタイミングまで教えてもらう。一方で咲良は、自分のタイミングで立ち上がり、自分のタイミングで目を開ける。そして、それぞれ美しい絶景を見ることになるのは共通している。降りた後に自力で一歩踏み出した咲良は、告白に失敗しても清々しい様子。対して瀬奈は、何かしら――願わくばそれは真戸原であるが――の支えが必要であると暗に示され、宇井との過去の清算、真相を知ることも同時に重要となってくる。

 となれば、前回に引き続き「説明させてほしい」と求める宇井の言葉を突き返す瀬奈は、まだ宇井に、あるいは過去に縛られたままだ。そもそも宇井の、祥子を味方につけて“外堀から固めていく”スタイルと妙に過干渉な祥子のやり方はいささか荒っぽいのだが。ところで咲良は小学6年生ということで、おそらく11~12歳。瀬奈と宇井が別れたのは8年前で、2人は5年も付き合っていた。ということは、咲良が宇井の共同経営者である朱利(中田クルミ)の子ではないとわかった以上、宇井には速やかに納得のいく説明をしてもらう必要が出てきたのである。

『アンサンブル』の画像

土ドラ10「アンサンブル」

“現実主義”の女性弁護士と“理想主義”の新人弁護士との恋模様を描くリーガルラブストーリー。

■放送情報
土ドラ10『アンサンブル』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00~22:54放送
出演:川口春奈、松村北斗(SixTONES)、板谷由夏、長濱ねる、じろう(シソンヌ)、東野絢香、橋本マナミ、SUMIRE、戸塚純貴、横田真悠、田中圭
脚本:國吉咲貴、諸橋隼人、ニシオカ・ト・ニール
監督:河合勇人ほか
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:後藤庸介、大倉寛子、金澤麻樹
音楽:澤田かおり
主題歌:aiko「シネマ」(PONY CANYON)
制作協力:日テレアックスオン
©日本テレビ
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