平野綾と沢城みゆきが“運命”を感じた瞬間とは? 『ベルサイユのばら』での共演を語り合う

平野綾×沢城みゆきが“運命”を感じた瞬間

吉村愛監督の“こだわり”が詰まった別れのシーン


――吉村監督も『ベルばら』の大ファンだと聞いているのですが、監督から印象的なディレクションはありましたか?

平野:私の場合、幼少期のアントワネットの表現ですかね。生まれながらの気品と威厳を持ちながら、少女らしい好奇心も表現してほしいと。でも、その好奇心を出しすぎると、町娘の少女のような年相応の普通の子の印象になってしまうので。

沢城:そうね。新しい国にやってきたワクワク感をどれくらい出すか。

平野:監督が求めるものの塩梅が、難しかったところだったかな。

沢城:オスカルで言えば、アントワネットと、もっと拮抗してほしいと言う演出があり、特に最後の別れのシーンはテイクを重ねました。ただ、オスカルはアントワネットの生き方を否定しているわけではないんですよ。受け入れながらも「お互いの道は違うのだ」という形での別れ……本質的な衝突ではないので、相手の言い分に耳を傾けてしまうと拮抗して見えない。そこに苦戦しました。

沢城みゆき

――最終的にどのように演技で表現されたのでしょうか?

沢城:よく聞くけど、透徹した意思を持ってアンサーする、そのエネルギーを上げていった感じ…でしょうか。特に物語の終盤では、民衆という存在を跳ね返さざるを得ない硬い殻に閉ざされたアントワネットと、バッジも捨てて解放されたオスカル。その輝きが対照的に描かれますが、これが本当に難しくて(笑)。

平野:アントワネットには守らなければならないものしかないもんね。

沢城:そうそう。

平野:アントワネットの方は、責任が次々と重なっていって、どんどん硬くなっていく。その姿を演じる身としては、オスカルの自由さを羨ましく思うこともありました。

――では最後に、お二人の人生を振り返って、運命を感じた瞬間というのはありましたか?

沢城:私にはそんな劇的なことは特に起きていないように思うけど、綾ちゃんはそういう(運命的な)人生なんじゃない? 綾ちゃんと話していると、本当に同じ世界に住んでいるのかなって思うことがあって。「綾ちゃん、そんな人間はいないよ」とか「そんなことは人生で起きないよ」って、何度か言ったことあるもん。

平野:あははっ。言われたことある〜!

沢城:綾ちゃんの人生って、それくらい劇的なんです。ちょっとハードモードというか(笑)。まさに運命に選ばれた人生を歩んでいるような。

平野:でも面白いことに、10代の頃から一緒にお仕事させていただいていて、(沢城と)人生の節目節目で出会うんです。本作でもこういう役どころで、同じ作品に関わったり。

沢城:台本を持っている以外は、全部違うんだけどね。

平野:ね! 私の場合は、もう運命というより、「自分で決めていくしかない」という感覚でやってきたかな。

平野綾

沢城:私は…デビューしてから目の前の明日の台本のことを考えているうちに、今日という日になっちゃった感じ……。でもね、昔私たち2人がお世話になっていたある方から言われた言葉が忘れられないんです。「平野さんとあなただけは、いつも『これができない』『あれが足りない』って言うけど、後ろを振り返ってごらんなさい。手に入れたものもたくさんあるんですよ」って。

平野:えー! それ、いつ頃の話?

沢城:20歳くらいの時かな。でも確かに、「足りない」「やらなきゃ」って思いながらも、少しずつ前には進んできたのかも。私たち、きっと根本的なところは似てるはずなんです。なのに歩んできた道のりと、その表現の仕方があまりにも違って。それもまた面白いよね。

平野:話してると通じ合える部分がたくさんあるのに、アウトプットの仕方が真逆だったり。運命が導く場所に近しいものがあっても、そこまでの道のりは逆なのかもしれません。

■公開情報
『ベルサイユのばら』
全国公開中
キャスト:沢城みゆき(オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ役)、平野綾(マリー・アントワネット役)、豊永利行(アンドレ・グランディエ役)、加藤和樹(ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン役)、武内駿輔(アラン・ド・ソワソン役)、江口拓也(フローリアン・ド・ジェローデル役)、入野自由(ベルナール・シャトレ役)、落合福嗣(ルイ16世役)、銀河万丈(ジャルジェ将軍役)、田中真弓(マロン・グラッセ・モンブラン役)
ナレーション:黒木瞳
主題歌:絢香「Versailles -ベルサイユ-」
原作:池田理代子(集英社『マーガレット・コミックス』刊)
監督:吉村愛
脚本:金春智子
キャラクターデザイン:岡真里子
音楽プロデューサー:澤野弘之
音楽:澤野弘之、KOHTA YAMAMOTO
アニメーション制作:MAPPA
配給:TOHO NEXT、エイベックス・ピクチャーズ
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
製作:劇場アニメベルサイユのばら製作委員会
©︎池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会
公式サイト:https://verbara-movie.jp/
公式X(旧Twitter):@verbara_movie
公式Instagram:@verbara_movie
公式YouTube:https://www.youtube.com/@verbara-movie/

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<応募締切>
2月15日(土)

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