『ホットスポット』は角田晃広の新たな代表作に? “宇宙人”に説得力がある理由

『ホットスポット』”宇宙人”角田晃広の説得力

 バカリズムが脚本を手がけるドラマ『ホットスポット』(日本テレビ系)は、ユーモラスな設定と軽妙な会話劇が愉しい作品だ。いままでになかった、“地元系エイリアン・ヒューマン・コメディ”という新ジャンルを築き上げつつあるところなのではないだろうか。この作品の中心に立っているのは、お笑いタレントで俳優の角田晃広であり、これは俳優としての彼の代表作になりそうな予感に満ちている。

 本作は、バイプレイヤーとして幅広い層から厚い支持を集める市川実日子の主演作。彼女が民放の連続ドラマで主演を飾るのはこれがはじめてのことだ。“独自のペース”を持ったキャラクターを演じることに優れている彼女は、バカリズムの描く滑稽でおかしみのある独特な作品性にこれ以上ないほどにフィット。山梨県のとある町を舞台に、脱力系コメディドラマを座長として牽引しているところである。

 そんな作品で角田が演じている高橋孝介は、ビジネスホテル「レイクホテル 浅ノ湖」で働くシングルマザー・遠藤清美(市川実日子)の同僚であり先輩だ。パッと見はごく普通の中年男性だが、じつは彼は宇宙人である。ひょんなことから高橋が宇宙人なのだと清美が知るところから、この物語は本格的にはじまった。どこにでもありそうな町の、どこにでもいそうな人々の何でもない日常が、ほんの少し変わったり変わらなかったりするさまを描いているのが『ホットスポット』なのだ。

 高橋というキャラクターについて、“パッと見はごく普通の中年男性”と先述したが、彼には特殊な能力がある。怪力で硬貨を指先だけでぐにゃりと曲げたり、まるで瞬間移動のように超高速で移動してみせたり、尋常ではないジャンプ力を誇ったり……。これらの力によって清美やその友人たちのしょうもない願いを叶える、というのが本作のストーリーラインだ。

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