『ハリー・ポッター』最終決戦への序章　『死の秘宝 PART1』鑑賞前におさえておきたいこと

気になるR.A.B.の正体

　ハリーたちが手に入れた偽物の「スリザリンのロケット」には、R.A.B.なる人物からのメモが入っていた。そのメモにはヴォルデモートに宛てて、本物のロケットは破壊するつもりだと書かれていた。問題は、本物のロケットが本当に破壊されたのかということだ。どちらにしろハリーたちは本物のロケットを探して本当に破壊されたのかを確かめ、そうでないなら破壊しなくてはならない。

　ここで立ち上がる疑問は、R.A.B.とはいったい誰なのかということだ。この人物はヴォルデモートの「分霊箱」の存在とその在り処を知っていたので、ヴォルデモートに近い人物だったと考えられる。そして「分霊箱」を盗んだ動機は、それを破壊するためだった。ヴォルデモートを裏切ったその行為は、勇気のあるものだったと言えるだろう。しかし、残念ながらハリーたちにとっては二度手間になってしまった。

ハリー、ロン、ハーマイオニーの旅の行方は？

　それにしても『死の秘宝 PART1』で描かれるハリーたちの「分霊箱」を探す旅は、困難なものになる。とにかく「分霊箱」がどんな形をしているのかわからないのだ。彼らは自分たちがなにを探せばいいのかすらわからない。まずは本物の「スリザリンのロケット」を探すことになるが、その手がかりになるのがR.A.B.という人物だ。その素性がわかれば、そこから「スリザリンのロケット」の行方を追うことができる。

　また『謎のプリンス』で、ハーマイオニーのロンに対する気持ちが明らかになり、ロンも自覚はないようだが、ハーマイオニーに思いを寄せているらしいことがわかった。ハリーを挟んで3人で旅をするなかで、彼らの関係はどう変化していくのかにも注目だ。恋愛が絡んでくることで、長年の友情は複雑なものになってしまうのだろうか。

　ヴォルデモートを倒すため、ハリーたちは彼の「分霊箱」を探し出して破壊するために旅に出る。それが『死の秘宝 PART1』のあらすじだ。これさえ頭に入れておけば、さほど混乱せずに物語を楽しむことができるだろう。本作でハリーたちの学園生活は終わりを告げ、物語はハードな戦いへと突入していく。この戦いでは多くの命が犠牲になり、悲しい別れがつづくので、観る方もそれなりの覚悟が必要だ。つづく『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』で回収される伏線も多いので、さらに31日に放送される同作に向けて、ぜひ楽しんでほしい。

■放送情報
『ハリー・ポッターと死の秘宝PART1』
日本テレビ系にて、1月24日（金）21:00～23:24放送
※放送枠30分拡大
監督：デヴィッド・イェーツ
脚本：スティーブ・クローブス
製作：デヴィッド・ヘイマン、デイビッド・バロン、J.K.ローリング
原作：J・K・ローリング
出演：ダニエル・ラドクリフ（小野賢章）、ルパート・グリント（常盤祐貴）、エマ・ワトソン（須藤祐実）、ヘレナ・ボナム＝カーター（高乃麗）、ロビー・コルトレーン（斎藤志郎）、レイフ・ファインズ（江原正士）、アラン・リックマン（土師孝也）、ボニー・ライト（高野朱華）、トム・フェルトン（三枝享祐）
©2010 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.