『ハリー・ポッター』にニュートの姿が? 知らないと気づかない『ファンタビ』との繋がり

『ハリポタ』と『ファンタビ』の隠れた繋がり

 『ハリー・ポッター』シリーズや『ファンタスティック・ビースト』(以下、『ファンタビ』)シリーズの「魔法ワールド」作品を4週に渡って連続放送している『金曜ロードショー』(日本テレビ系)。2週目となる1月19日は『ハリー・ポッター』シリーズ2作目『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002年)が放送される。この特集放送の4週目に控えているのは、『ハリー・ポッター』1作目から約70年前を舞台にした『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022年)だ。J・K・ローリングが創り上げた「魔法ワールド」の作品である両シリーズは、それぞれにつながる部分があり、『ファンタビ』のストーリーがある程度進んできた今、『ハリー・ポッター』シリーズを観返すと面白い伏線が数多く張ってあることに気がつくだろう。

 本稿では、そんな『ハリー・ポッター』と『ファンタビ』の楽しいつながりをいくつか紹介しよう。

ホグワーツを訪れたニュート・スキャマンダー

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』© 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. Wizarding WorldTM Publishing Rights © J.K. Rowling

 まず、『ファンタビ』の主人公であるニュート・スキャマンダーと『ハリー・ポッター』のつながりを見ていこう。彼はハリー(ダニエル・ラドクリフ)たちがホグワーツで使う教科書『幻の動物とその生息地』の著者であり、有名な魔法動物学者だ。原作では、ホグワーツ1年生の買い物リストに同書がリストアップされている。魔法動物飼育学は3年生からの科目なので、なぜ1年生が入学前にこの教科書を購入する必要があるのかはわからないが、とにかく同書が名著であることには違いないのだろう。

 『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016年)のニュート(エディ・レッドメイン)は、まさにこの本の執筆中であり、出版されたら直接渡しにくるとティナ(キャサリン・ウォーターストン)に約束していた。しかしシリーズ2作目『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018年)では、すでに本は出版されているが、ニュートはティナに本を渡しにこなかったことがわかる。ところがティナは、どうやら再会したとき、すでに彼の本を読んでいたようだ。

 著名な魔法生物学者であるニュートは、その肖像画が校長室に飾ってある。映画での初出は『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で、以降『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005年)、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(2009年)、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』(2010年)と『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(2011年)でも確認できる。この肖像画は晩年のものと思われ、黒いとんがり帽子を被った姿は『ファンタビ』シリーズでエディ・レッドメインが演じるニュートの容姿とはかなり違っているので、気づかない人も多いかもしれない。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「ハリー・ポッターエリア」にある校長室にも同じ肖像画が飾ってあるので、探してみるのも一興だろう。

 さらに『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004年)では、ニュートが当時まだ存命で、ホグワーツを訪れていたらしいシーンも。それはハリーたちがジョージ・ウィーズリー(オリバー・フェルプス)とフレッド・ウィーズリー(ジェームズ・フェルプス)から「忍びの地図」を渡される場面だ。双子が地図の使い方を説明し、地図を閉じる際、ちらっと「ニュート・スキャマンダー」の名前が地図上に現れる。これは、2001年に『幻の動物とその生息地』のマグル版を出版するにあたって、ダンブルドア(マイケル・ガンボン)に前書きの執筆を依頼しに来たためといわれている。劇中の設定では、当時ニュートは96歳ということになるが、1作目の時点でダンブルドアが100歳を超えていたことを考えると、魔法族はマグルよりも長寿である可能性もあり、それほど不自然ではないのかもしれない。ちなみに2017年に出版された新装版では、ニュート本人による前書きと新たに6種の魔法生物が加えられている。このときニュートは120歳ということになる。

『賢者の石』で言及のあったニコラス・フラメル本人登場

 『ファンタビ』シリーズ2作目『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』では、『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001年)で「賢者の石の創造に唯一成功した錬金術師」として名前が挙がったニコラス・フラメル(ブロンティス・ホドロフスキー)その人が登場している。ダンブルドア(ジュード・ロウ)の友人である彼は、フランスでグリンデルバルドが集会を開いた際に、ニュートらとともにグリンデルバルド(ジョニー・デップ)の魔法が人間界に影響を及ぼすのを阻止した。ニコラス・フラメルは同名の実在した人物をモデルにしたキャラクターだが、「魔法ワールド」では彼はマグルの錬金術師ではなく、ボーバトン魔法アカデミーを卒業した魔法使いとなっている。

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