松本潤が演じるキャラクターはなぜ記憶に残る? 『99.9』でも示した“役作り”と“具現化”

「僕は事実が知りたいんです」ーー松本潤が主演を務める映画『99.9−刑事専門弁護士−THE MOVIE』がTBS系で1月12日21時から放送される。
本作は、松本演じる型破りな刑事専門弁護士・深山大翔が、刑事事件裁判の有罪率99.9%であるところの残り0.1%の無罪を追求するリーガル・エンターテインメント。
2016年4月期のTBS日曜劇場枠で放送され、2019年にSEASON2、そしてスペシャル番組を挟み、2021年12月30日から映画『99.9−刑事専門弁護士−THE MOVIE』が公開と、ドラマから劇場版へと展開した人気シリーズとなった。
“リーガル・エンターテインメント”と掲げているように刑事事件をベースにしながらも、深山を筆頭に、斑目法律事務所の個性的……キャラが濃すぎるメンバーとの掛け合いも面白く、会話の内容やストーリー展開のテンポが心地よい“痛快”な作品だ。
「真実っていうのはさ、100人いたら100通りあるものなんだよね。でも、起こった事実は一つだけ」
これはSEASON1第1話で深山が放ったセリフだ。ジャケットにリュックを背負い、左胸に弁護士バッジをつけるのが深山スタイル。感情をそこまで表に出さずマイペースで飄々としたキャラクターだが「いただきマングース」「いただきマンドリル!」としょっちゅうダジャレを飛ばす。
ふざけているように見えなくもないが、深山の調査はとても綿密。接見では大学ノートを広げ、出身地から生年月日、出身小学校、通知表の評価などを細かくヒヤリングしてメモをとる。このほか防犯カメラを入念にチェックしたり、犯人の行動を自ら再現したり、必ず現地を訪れるなどとことん現場主義。周囲が止めに入るも、「僕には僕のやり方しかできません」と深山。目上の人だろうが先輩だろうがはっきりと意見を述べ、調書や証言に左右されることなく、わずか0.1%の事実を追求していく。裁判官たちからも厄介がられている存在ではあるが、依頼人からすればこの上ない弁護士だろう。