松本潤が演じるキャラクターはなぜ記憶に残る? 『99.9』でも示した“役作り”と“具現化”

松本潤が演じるキャラクターはなぜ記憶に残る

 ダジャレ連発に、事件を整理するときは創作料理をするなど、深山のつかみどころのないキャラにはじまり、所長の佐田篤弘(香川照之)やパラリーガルの明石達也(片桐仁)とのコミカルなかけあい。歴代のヒロインである立花彩乃(榮倉奈々)、尾崎舞子(木村文乃)、河野穂乃果(杉咲花)たちとの会話などもそう、セリフ回しのテンポや独特の間など、松本の演技に根付くリズム感が活きていた印象だ。

 本作に限らず、10代の頃から学園ものから恋愛ドラマ、そして大河ドラマと様々な役柄を演じてきたが、松本が演じた役柄は観る者にいつまでも鮮明な記憶を残す。本作もドラマや映画の上映からしばし時間が空いたものの、いまだに深山のキャラクターを鮮明に記憶している人も多いだろう。これも松本の入念な役作りとそれを具現化させる技量の賜物だろう。

 昨年は事務所からの独立(嵐としての活動は継続)、会社設立を発表した松本。さらに野田秀樹が手がける新作舞台、NODA・MAP第27回公演『正三角関係』に出演した。松本、長澤まさみ、永山瑛太が舞台初共演という豪華キャストで、東京公演の収録映像はWOWOW制作協力のもと、世界に配信される(1月14日まで)など、新たな取り組みに挑む姿勢も松本らしい。

 近年は自身の活動に加えて後輩のステージのプロデュースを手がけるなど担う役割が増えている。演出としても嵐に限らず様々なファンからの絶大な支持があるだけに、今後も各方面からひっぱりだこ状態だと想像するが、俳優としてキャリアを積んできた松本だけに物語の展開を毎週楽しむ連続ドラマの出演をそろそろ恋しく思う。40代に突入したいまだからこその芝居が今後たくさん見られることを願うばかりだ。

 

■放送情報
映画『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』
TBS系にて、1月12日(日)21:00~23:15放送
出演:松本潤、香川照之、杉咲花、片桐仁、マギー、馬場園梓、馬場徹、映美くらら、池田貴史、岸井ゆきの、西島秀俊、道枝駿佑(なにわ男子)、蒔田彩珠、榮倉奈々、木村文乃、青木崇高、高橋克実、石橋蓮司、奥田瑛二、笑福亭鶴瓶、岸部一徳
監督:木村ひさし
脚本:三浦駿斗
トリック監修:蒔田光治
音楽:井筒昭雄
主題歌:嵐「Find The Answer」(ジェイ・ストーム)
企画:瀬戸口克陽
エグゼクティブプロデューサー:平野隆
プロデューサー:東仲恵吾、辻本珠子
製作:『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』製作委員会
制作プロダクション:TBSテレビ
配給:松竹
©2021『99.9-THE MOVIE』製作委員会

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