『その電話が鳴るとき』ユ・ヨンソクの“底なし沼”な魅力に浸る 王道のハプニングキスも
Netflixで独占配信中の『その電話が鳴るとき』でユ・ヨンソクのエキサイティングな演技に沼落ちする視聴者が続出している。本作は、ユ・ヨンソクとチェ・スビンが仮面夫婦を演じ、ふたりが心を通わせていくロマンスに、過去を発端としたスリラーを掛け合わせたジャンルミックス作品。本稿では、第5話、第6話を中心にご紹介したい(以下、ネタバレあり)。
ユ・ヨンソク演じるペク・サオンは、家柄、容姿、頭脳と申し分のない完全無欠な大統領室報道官として、国民の憧れの的だ。サオンには、チェ・スビン演じるホン・ヒジュという政略結婚3年目の妻がいる。サオンとヒジュは、心の通い合わない仮面夫婦として暮らしていたが、1本の電話がきっかけでふたりは思わぬ互いの姿を知ることになる。
緘黙症のはずのヒジュが話す動画を見たサオンは、パーティー会場でヒジュの母ヨニ(オ・ヒョンギョン)にヒジュが本当に話せないのかと問う。サオンは、ヨニのせいでヒジュは話せないフリをしていることに気づく。
ヒジュは、拉致犯のフリをして「406」から始まる携帯電話番号から、サオンを脅迫し続けていた。パーティー会場で「406」と通話しながらヒジュを探すサオンは、屋上で電話を耳に当てるヒジュを見つける。ヒジュは、突然現れたサオンに驚き、立っていたベンチから足を踏み外すも、駆け寄ったサオンに抱きとめられる。タキシード姿のユ・ヨンソクが、ドレス姿のチェ・スビンを抱きとめるさまが王子様とお姫様のようで強烈にカッコいい! そして、サオンは、抱きとめたヒジュの無事を確かめ、開口一番に「大丈夫か?」と問い、続いて「あんな所に立つなんて死ぬ気か!?」と怒鳴り声を上げる。“話せないはずの”ヒジュが電話を耳に当てていることよりも、先に彼女の身を案じるサオンの“ダダ漏れの愛情”に早く気づいてほしいとヤキモキする。
大統領室手話通訳士として働くことになったヒジュたちの歓迎会が開かれ、サオンはヒジュと働けることが嬉しくてたまらない。普段は参加しない食事会に参加し、甲斐甲斐しく肉を焼く姿を見せてヒジュや部下を驚かせる。行政官ドジェ(チェ・ウジン)から呼ばれたサオンは、「406」の音声加工を外したデータを渡される。音声を聞いたサオンは、ヒジュの声だと気づき、ドジェにヒジュのパトカー内の音声を渡して一致するかの調査を命じる。食事会の席に戻ったサオンは、ヒジュかもしれないことに動揺し、ヒジュに冷たい視線を投げかけ、泥酔してしまう。泥酔し、車内にいるサオンを見つけたヒジュは、サオンを抱えて部屋に連れて帰る。そして、躓き転倒したふたりは、ヒジュがサオンに覆いかぶさるようにキス(!)をしてしまう。韓ドラでは王道のハプニングキスだ。転んでキスする姿に「そんなバカな!」と心で思いっきりツッコみながらも、なんともロマンティックな甘い演出に喜んで酔わされ、許せてしまうのが“韓ドラマジック”の為せる業なのだ。
目覚めたサオンは、腕枕して眠るヒジュにドギマギするも、ドジェから「406」の音声とヒジュの音声の一致を知らされショックを受ける。サオンは、ヒジュに嘘をつかれて裏切られていたことに怒りを感じるが、それを許そうと決める。そして、ヒジュがサオンに「本心」や「愛情」を望むなら、それを与えて夫婦としてやり直したいと思うのだった。
そしてここから、韓ドラあるあるが千本ノックのように連打されていく。「え? 急に?」の突然の親睦会、ドキドキ胸キュン二人三脚、登山、さらに登山につきもののヒロインの事故と顔面蒼白で愛する人を探す主人公に、ヒロインの知らぬ間に入れられた発煙筒で居場所がわかる劇的な展開……。ヒジュのことが好きでたまらないサオンの、中学生のような愛情表現と、溺愛ぶりがなんとも愛おしい。さらに、完全無欠に思われたサオンが、大縄跳びで見せた意外な運動音痴ぶりに笑わせられ、ますますサオンの魅力にハマってしまう。