志田音々×小越春花がこれ以上ないハマり役 “舞台”だからこその『かげきしょうじょ!!』に
主演を務める志田音々の芝居は、天真爛漫なさらさそのもの。囲み取材で締めの挨拶を任された志田が「お客様は元気な体とパワフルな体を持ってきていただいて……」とコメントし、ほぼ同じ意味だとほかキャスト陣から総ツッコミを受ける一幕があったが、素のキャラクターもどこかさらさを彷彿とさせる部分がある。原作設定の178cmの長身とまではいかないものの、そのスタイルの良さ、そして純真さと輝く瞳は、さらさに適任と言えるだろう。志田本人も挨拶で触れていた元気をなくしたさらさ、演技をトレースした男役のさらさは、志田の芝居の奥行きを感じさせる。
奈良田愛を演じる小越春花は、今作が初参加。愛は、国民的アイドルグループ・JPX48の元メンバーであり、小越もまたNGT48に所属中で、12月末に卒業を控えているというのは、運命的な配役でもある。ただ、それだけではなく、小越はこれまで着実に舞台経験を重ねてきたメンバーであり、それがさらさとは対照的に表情の少ない奈良田という役で滲み出ていた。なかでも、さらさへの思いが溢れ出たシーンは必見だ。
『ロミオとジュリエット』の演技実技で、さらさ、愛と同じ組だった星野薫を演じる新谷姫加、沢田千夏を演じる髙橋果鈴は前作より続投。志田が第2章ならではの見どころとして、「原作では絡みのないようなキャラクター同士がキャッキャしてたり」と話していたが、その一つが薫と千夏の漫才のようなコンビネーションだ。
野島聖を演じる青山なぎさ、小園桃を演じる逢田梨香子との組み合わせもファンにとっては嬉しい共演なのは間違いない。今作では聖の高校生時代のエピソードにスポットが当たるが、そこに憧れの人として登場するのが桃。“客席”から桃のステージを見つめる聖の姿を筆頭に、言ってしまえば原作ファンならずとも必ず観ておくべき場面が散りばめられている。ほかキャストからも「衣装がかわいい」という声が上がっていた衣装を着た、逢田のアイドルステージも本作をキラキラとした作品により一層輝かせていた。
ほかにも宝塚歌劇団出身の元男役スター・初風緑が、紅華歌劇団OGの大木芳子として“大暴れ”していたり、客席にピンスポットが当たる演出があったりと、舞台ならではの要素が詰まった本作は12月18日までの上演となる。
舞台『かげきしょうじょ!!』第2章 ゲネプロレポートショット(全10枚)
■公演情報
舞台『かげきしょうじょ!!』第2章
公演期間:12月12日(木)〜12月18日(水)全12回
会場:三越劇場(〒103-8001 東京都中央区日本橋室町1-4-1 日本橋三越本店本館6階)
出演:志田音々、小越春花(NGT48)、新谷姫加、髙橋果鈴、青山なぎさ、三田美吹、逢田梨香子、結城伽寿也、河合龍之介、ザンヨウコ、中川晴樹(ヨーロッパ企画)、初風緑、永瀬千裕、中川友里江 ほか
原作:斉木久美子「かげきしょうじょ!!」(白泉社「メロディ」連載)
脚本・演出:村井雄(KPR/開幕ペナントレース)
音楽:斉藤恒芳
振付:北尾亘
美術:竹邊奈津子
照明:斉藤喜和(Dort)
音響:SING_O_WORLD
衣裳:木村猛志
衣裳(JPX48):浅野実希
ヘアメイク:前田亜耶
演出助手:高崎拓郎(オフィス開幕)
舞台監督:川畑信介(obbligato)
© 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
© 舞台「かげきしょうじょ!!」製作委員会2024
公式サイト:https://kageki-stage.com/
公式X(旧Twitter):@kageki_stage