田中圭が体現してきた“父親像” 『わたしの宝物』では“ミリ単位の表情変化”を披露

『わたしの宝物』田中圭が体現する“父親像”

 現在放送中のドラマ『わたしの宝物』(フジテレビ系)で、田中圭が見せる悲痛な表情に多くの人が胸を打たれたに違いない。

 田中圭演じる宏樹の妻・美羽(松本若菜)が、宏樹からの強い当たりに辟易としていた時、中学時代の友人・稜(深澤辰哉)と再会したことで運命が狂っていく様子を描いた本作。

 第5話で、美羽の親友・真琴(恒松祐里)に美羽の不倫を明かされた宏樹(田中圭)は、娘・栞のDNA鑑定をした結果、自分の子供でないことが判明した。栞の爪を切りながら、DNA鑑定をしてみようかと心が揺らぐ様子や、結果がわかっても栞の半年祝いには笑顔で参加し、ぼろぼろと涙をこぼす姿など、心の痛みを表現する田中圭の演技の幅の広さには、改めて驚かされた。そして先週放送された第6話では、栞と共に失踪。栞に話しかけながら、自分が発した「パパ」という言葉にハッとする、そのミリ単位の表情の変化には惹きつけられた。

 実生活でも父親である田中は、2021年には女子高生が選ぶ「お父さんになってもらいたい芸能人」1位(※1)に選ばれたことがある。インタビュー(※2)では「夫役や父親役でオファーされることが増えた」「幼い子どもを持つ父親の気持ちは、自分が当時経験した時よりも解像度が上がっている」と語っており、振り返ってみると確かに父親を務めた作品も数多く存在している。

 家庭的な夫を演じたドラマ『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系)では、時折現れるエプロン姿にほっこりした人もいるだろう。ひょんなことから市議会議員に立候補することになった妻・智子(篠原涼子)の夫として、家事をこなし、選挙にも全面的に協力する。息子と一緒になって卵焼きをステーキだと言いながら食べる能天気な一面もあるが、難しい用語に頭を抱える智子に説明してあげられる賢さもあり、癒しの存在でもある。

 そんな優しさ溢れる父親と言えば、ドラマ『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』(TBS系)で演じたシングルファーザーの晴太も思い浮かぶ。普段は息子ファーストで生きており、息子が初めて好きな子に告白して成功する姿を見て、笑顔と涙の混ざった表情を見せるなど熱い一面も。息子がいる中で、無理をしないライフスタイルを築こうという努力を見せてくれる父親だ。

 映画『そして、バトンは渡された』では優しさだけでなく、じんわりと温かい空気を画面越しにも感じるような父親像を見せてくれた。本作で田中が演じるのは優子(永野芽郁)の現・父親“森宮さん”。優子の実母は亡くなり、実父・秀平(大森南朋)は梨花(石原さとみ)と再婚。そして実父と別れると、梨花は優子を連れたまま、2度結婚する。その3人目の相手が森宮だ。競争が苦手なサラリーマンで、キャラ弁で愛情表現したり、中華鍋を振ったりするほど料理上手。血は繋がっていないが「親子なんだから」が口癖だ。愛が溢れて仕方ない一面が印象的で、娘と本気でぶつかり合える一番の父親でもある。

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