平祐奈の強みは“共感力” 朝ドラ『おむすび』での橋本環奈との掛け合いに胸アツ
現在放送中のNHK連続テレビ小説『おむすび』の第8週から朝ドラ初出演となる平祐奈が出演している。平が演じるのは、神戸栄養専門学校の結(橋本環奈)の同級生の湯上佳純。橋本環奈とは13年ぶりの共演とあって、2人の掛け合いに胸が熱くなった方も多いだろう。
平成を生きるギャルのヒロイン・結が、人々の健康を支える栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。第8週では結が両親とともに福岡・糸島を離れて、12年ぶりに幼少期を過ごした神戸へと戻ってきた。新生活をスタートした結が新たに通う神戸栄養専門学校では、矢吹沙智(山本舞香)、森川学(小手伸也)、そして平演じる佳純と個性的な面々が勢揃い。派手な格好で教室に入る結に対して、「何その格好。あんたなめとん?」と突っかかる沙智に対して、佳純は「うちはその格好かわいい思うよ」とはっきり伝える、いわば自分の芯をしっかりと持っている人物。最初の自己紹介では「栄養で世界を救いたい」という高い志を語っており、学業も優秀で模範的な生徒だと分かる。しかし、生粋のお嬢様である佳純は料理経験が一度もないということで、調理実習講師の石渡常次(水間ロン)からは厳しく指導を受ける。
本作への出演にあたって「強い信念と私個人としてもギャルマインドを持って、佳純や作品と向き合えるよう、初の朝ドラ出演を全力で楽しみます!」と意気込みを明かしていた平(※)。これまではナチュラルで自然体な役を多く引き受けていただけに、見た目に反して一癖ありそうな佳純は新境地となりそうだ。
平は2011年に是枝裕和監督による映画『奇跡』のオーディションに合格し、子役としてのキャリアをスタートさせる。2015年には『案山子とラケット 〜亜季と珠子の夏休み〜』で映画初主演、『JKは雪女』(MBS)では連続ドラマ初主演と立て続けに主演を務め、若手女優として一挙に注目を集めた。2017年には『キセキ -あの日のソビト-』『きょうのキラ君』『サクラダリセット』『暗黒女子』『ReLIFE リライフ』『写真甲子園 0.5秒の夏』『未成年だけどコドモじゃない』など、自身のキャリア史上もっとも多くの映画に出演し、その年を代表する女優のひとりとなった。
中でも中川大志とのダブル主演作となった『ReLIFE リライフ』で学年1位の秀才ながら、極度のコミュ障でもある日代千鶴を演じた平の演技が強く印象に残っている。千鶴はとにかく感情を表に出すことが苦手で、何を考えているのか、推察することは難しい。本作では、印象的な平の笑顔は身を潜め、淡々とセリフを重ねていくのだが、中川演じる海崎新太との出会いから次第に心を打ち解けていく過程は、まさに青春そのもの。内向的で繊細なキャラクターに丁寧に向き合い、表情が融解していく過程を表現する平の演技が素晴らしい一作だった。
また、2020年に出演した『10万分の1』では、10万人にひとりの確率でかかる国の指定難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う高校剣道部マネージャーの桜木莉乃を演じた平。重い病気を抱えながらも、生きることを決意し、好きな人に好きと伝えることの大切さに真正面から向き合う役は、これまでは明るい役を演じることが多かった平にとって、役者としての幅を広げる作品となった。