『光る君へ』吉高由里子がまなざしで表現する“終わり” まひろを変える周明との再会も

『光る君へ』まひろと道長の“終わり”

 道長はそんなまひろの手を取ると、真剣な顔つきで「お前とは……もう会えぬのか?」と言った。まひろは道長の言葉を受けて、じっと見つめ返す。吉高のまなざしには、心の底から愛おしく思う相手に別れを惜しまれたことで、その強い思いに飲み込まれそうになる心の揺れ動きが感じられた。それでもまひろは自らの意志を貫く。

「会えたとしても……」
「これで終わりでございます」

 道長の手をつき返し、しっかりと別れを告げたまひろの姿は胸を打つ。加えて、潔くその場を立ち去るまひろと、1人その場に取り残され、悲しみに沈む道長の対比が良い。別れの余韻だけでなく、2人にとってお互いの存在がどれほど重要で、大切で、苦しいものだったかを思わせるもので、心に沁み入った。

 物語にも、道長への思いにも一区切りつけたとはいえ、まひろにとって何かを終えることは何かを始めることでもある。旅に出たまひろの表情は清々しい。須磨の海岸で駆け出すまひろは解き放たれたように軽やかだった。大宰府では無邪気な笑顔を浮かべ、街の賑わいに心を躍らせる。第45回のタイトルが「はばたき」であることにうなずける。

 そんな第45回は、かつて越前で別れた周明(松下洸平)との再会で幕引きとなった。大宰府ではどんな物語がまひろを待ち受けているのだろうか。

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「リキャップ」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる