リドリー・スコットの演出が冴え渡る 『グラディエーターII』を観るべき3つのポイント
リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、『グラディエーター』前作の公開当時は13歳だった宮川が『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』をプッシュします。
『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』
リドリー・スコット、恐るべし! 御年86歳にして、2020年以降だけでも『最後の決闘裁判 』(2021年)、『ハウス・オブ・グッチ』(2021年)、『ナポレオン』(2023年)、そして本作『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(2024年)と、ほぼ1年に1本のペースで新作映画を世に放っている精力ぶり。そんなリドリー・スコットが、自身の代表作のひとつである『グラディエーター』(2000年)の続編(24年ぶり!)を作ると知ったときはとにかく驚いた。あのリドリー・スコットがなぜ今『グラディエーター』なのか、と。
作品を観終えてもその疑問は残ったままだが(笑)、映画館で観ることができるハリウッドのメジャー映画が少なくなっている中で、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』は「これぞ映画だ!」とはっきり断言できるような傑作だった。
まずはとにかく話がおもしろい。権力者にすべてを奪われた男が復讐のため命をかけた戦いに身を投じていく、という話の筋書きがわかりやすいので、前作『グラディエーター』を観ていなくても十分楽しめる(血縁関係などが出てくるので、もちろん前作を観ておいたほうがベター)。『ゲティ家の身代金』『ナポレオン』に続くタッグとなったリドリー・スコットと脚本家デヴィッド・スカルパの抜群の相性を再確認した。
巨匠リドリー・スコットの冴え渡る演出も素晴らしい。86歳でこんなシーンが撮れるのかと誰もが驚くようなアクションシーン(コロセウムにまさかのサメ!)と広大な景色を見事に活かした構図の美しさ。首がふっ飛んだりするケレン味あふれる演出もたっぷりだ。