『嘘解きレトリック』鈴鹿央士×松本穂香の絆が深まる 左右馬が端崎についた“ある嘘”
「先生は嘘で何を隠しているんだろう」
嘘という言葉には、否定的な印象がつきまとうかもしれない。しかし、時として真実を隠すことにも意味が生まれることもある。そんな「嘘」の多面性を巧みに描き出すのが『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)の魅力だ。第3話では、左右馬(鈴鹿央士)と端崎(味方良介)の友情が“ある嘘”によって揺れることになる。
刑事の端崎は、かつて自分を助けてくれた女性との再会を熱望していた。親友と呼べる友達がいない鹿乃子(松本穂香)にとって、軽口を叩きながらも仲の良い左右馬と端崎の関係は、少し羨ましいものでもある。ある日、端崎は偶然目にした雑誌の中で、ある料亭の仲居の写真に目を留める。その女性が恩人の“松葉牡丹の君”である可能性を感じ取った端崎は、真相を確かめるべく親友の左右馬を訪ねた。
命の恩人について熱く語る端崎に対し、左右馬は軽口を叩いて受け流そうとするが、端崎の真剣さは揺るがない。実は、左右馬はその仲居(中田クルミ)が確かに“松葉牡丹の君”だと気づきながらも、端崎に「別人だ」と断言したのだった。この様子を目の当たりにした鹿乃子は、左右馬が親友に嘘をつく理由が理解できず、心を悩ませる日々を過ごす。嘘を見抜くという力は時に便利なものだが、日常生活を送る上ではいろいろと考えてしまうことも多そうだ。
しかし、左右馬の嘘にはきちんとした理由があった。仲居は、酔った客などを介抱するふりをして財布を盗む巧妙な窃盗犯だったのだ。
真相を突き止めるため料亭を訪れた左右馬と鹿乃子は、仲居の逮捕に来た端崎と鉢合わせする。端崎は左右馬を見て、悲しみを滲ませながら「貴様にはかなわんな」とつぶやき、その場を去る。左右馬のついた優しい嘘に胸が痛んだのは、鹿乃子だけではなく視聴者も同じだろう。端崎の後ろ姿を見送る左右馬の表情には、友人の気持ちを守りきれなかった痛みが浮かんでいた。