“『ドラゴンボール』らしさ”を思わせる『DAIMA』 『GT』との比較からみる今後の展望

『ドラゴンボールDAIMA』を『GT』と比較

 その上で課題となるのは1996年から約1年半放送された『ドラゴンボールGT』との差別化だ。こちらも『ドラゴンボールZ』の後の物語であるが、悟空が小さくなり、トランクス、パンと宇宙を冒険しながらドラゴンボールを集めるという物語となっている。SNS上の『ドラゴンボールDAIMA』第1話の感想でも、『GT』を思い出して懐かしくなったという意見が多く見受けられた。『ドラゴンボールGT』は連載終了して間もない中で放送されたオリジナルシリーズということもあり、様々な評価がありつつも、物語後半ではドラゴンボールから生まれた敵と対峙することで、それまでドラゴンボールに頼りすぎた悟空や物語との決着をつける作品となっていた。『ドラゴンボールDAIMA』はここまで同じことはできないであろうから、どのように差異を生み出すのか注目したい。

 『ドラゴンボールDAIMA』はゴマー、テゲスといった新キャラクターたちも鳥山明作品らしいキャラクターデザインとなっており、近年の『ドラゴンボール超』の良さを引き継いだ物語ということも感じさせられた。また過去のブウ編の物語を綺麗な作画で現代に甦らせたことも、懐かしさがあり話題となっていた。第1話は過去の話を振り返ることもあり、すでに原作のストーリーを知っている者にとっては若干テンポが悪い印象も受けたが、今後は物語が進むにつれてテンポも良くなっていくことだろう。

 原作者の鳥山明さんは2024年に亡くなった。『ドラゴンボール』が『サザエさん』『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『アンパンマン』『ルパン三世』などのように、原作者が亡くなった後にも続く、国民的シリーズとなることは間違いない。その注目度の高さに適う作品を作り上げてくれることを、信じている。

参照
※1 https://www.bandainamco.co.jp/files/2024E5B9B43E69C88E69C9F_E6B1BAE7AE97E79FADE4BFA1_E.pdf
※2 https://www.oricon.co.jp/news/2278636/full/

■放送情報
『ドラゴンボールDAIMA』
フジテレビ系にて、毎週金曜23:40〜放送
原作・ストーリー・キャラクターデザイン:鳥山明
シリーズディレクター:八島善孝、小牧文
アニメーションキャラクターデザイン:中鶴勝祥
シリーズ構成・脚本:柿原優子
©️バード・スタジオ/集英社・東映アニメーション
公式サイト:https://dragonballdaima.com/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/DB_official_jp/

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