『笑うマトリョーシカ』亜里沙の重なる“狂気の笑顔” 最終話直前で真のハヌッセンが急浮上

『笑うマトリョーシカ』ハヌッセンが急浮上

 この一連の会話では、学生時代の亜里沙を田辺桃子が演じ、現在のヘルパーとして働く亜里沙を和田光沙が演じている。これまでも、本作では登場人物の回想シーンと現在の時間軸で2人の役者が一人のキャラクターを演じる場面が「似すぎている」と度々話題になっていたが、第10話はその手法の真価が最も発揮された回と言えるだろう。特に、今回の“2人の亜里沙”の描写は圧巻だ。田辺演じる学生時代の亜里沙と、和田演じる現在のヘルパーの亜里沙。二人の演技が絶妙にリンクする瞬間は背筋が凍るほど。ニカッと歯が見える“狂気の笑顔”を、視聴者は固唾を呑んで見入ったことだろう。

「絶対に見つけ出してくださいね。3年前に、わたしから一郎くんを奪った人を」

 3年前、突如として清家に見捨てられた亜里沙。彼女は再び浩子に近づくも、その眼差しから、このハヌッセンが別人物だと悟っていた。驚くべきことに、鈴木を狙った事故は亜里沙の仕業ではなかったのだ。誰かが巧妙に彼女に罪をなすりつけ、鈴木を排除しようとしたのである。最終回を目前にした今、真のハヌッセンの存在が急浮上してきた。

 さらに道上は、浩子から渡されたBG株事件にまつわる証拠のテープを再生し、政界を揺るがす大スクープを掴む。鈴木の父と諸橋とのやり取りの後、「紹介したい男がいる」と言って入ってきたのは、なんと羽生総理(大鷹明良)だったのだ。「くれぐれも、内密に」という言葉でテープは突然切れる。

 驚愕の連鎖が止まらない第10話だったが、まさかここで最後の一撃が。ドラマのラスト、道上は突如として清家から呼び出しを受ける。困惑する彼女の前に現れた清家の口から放たれたのは、予想外の言葉だった。

「道上さん、僕のブレーンになってくれませんか?」

 清家の言葉の意図に、観ているこちらも道上と一緒に困惑してしまう。清家の裏にいる真のハヌッセンは今、高らかに笑っているはずなのだから。すべての謎が明かされる最終回へ、物語は息もつかせぬ勢いで突入していく。

■放送情報
金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:水川あさみ、玉山鉄二、丸山智己、和田正人、渡辺大、曽田陵介、渡辺いっけい、加藤雅也、筒井真理子、高岡早紀、櫻井翔
原作:早見和真『笑うマトリョーシカ』(文藝春秋)
脚本:いずみ吉紘、神田優
主題歌:由薫「Sunshade」(Polydor Records)
プロデューサー:橋本芙美
演出:岩田和行
編成:杉田彩佳
製作:共同テレビ、TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/waraumatryoshka_tbs/
公式X(旧Twitter):@matryoshka_tbs
公式Instagram:waraumatryoshka_tbs
公式TikTok:@waraumatryoshka_tbs

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「リキャップ」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる