雨穴、『クレヨンしんちゃん』のホラー回は「今観ても怖い」 台本で狙った“怖さ”を語る

雨穴、『クレヨンしんちゃん』ホラー回を語る

『クレヨンしんちゃん』ホラー回で家族をテーマにした理由

ーー今回、台本も雨穴さんが書かれたと。

雨穴:最初はこちらが2パターン提案したんです。1つはしんちゃんが犯罪者のアパートに行って、その人に囚われている子供を救い出すという雨穴の登場する余地がない謎解き形式のもの。もう1つは、雨穴がしんちゃんの家になぜかいきなり侵入してくるというお話。それで、後者の方がいいとなりました。

ーー大きなテーマとして“家族”を掲げたのはなぜですか?

雨穴:自分の子供の頃を思い出しても、『クレヨンしんちゃん』をずっと観ていた人やいま観ている人は、少なからず、しんちゃんと友達や家族になった気持ちで観ている人が多いと思うんです。でもその一方で、実際にしんちゃんの世界で、 自分たち視聴者が家族として受け入れられるのかと言ったら、それはたぶん違う。そこに矛盾があるなと考えて、そこを深掘りしてみようかなと思って、今回作りました。

ーー確かに、そういう“居心地の悪さ”もホラーの一要素なのかもしれませんね。

雨穴:そもそも『クレヨンしんちゃん』は、ギャグ以外にも普段から日常的なシーンをしっかりと描いている作品だと思います。そこになにか1つ、外からものが入ってくることがホラー表現と相性がいいんだろうなと思っていました。

ーー『クレヨンしんちゃん』ファンの方へはどんな思いですか?

雨穴:『クレヨンしんちゃん』のファンは、自分もファンなので、一種の同志です。

ーー今回、アニメの声優は挑戦だったと思うのですが、今後やってみたいことはありますか?

雨穴:お化け屋敷をやってみたいと思っています。映像も楽しいですが、次は手触り感があるものをやってみたいなと考えています。

ーーちなみに、もしお化け屋敷をするとしたらどういう仕掛けにしますか?

雨穴:多分、1番怖いのって、“何かが出そうで出ない”という、不安をかき立ててくることだと思うんです。なので前代未聞だと思うんですけど、「お化けが出そうな雰囲気はすっごいあるんだけど、最後まで結局なにも出ない」みたいな。金返せって怒られるかもしれないんですけど(笑)。

『変な絵』(双葉社/80万部突破、27ヵ国海外出版)
『変な絵』(双葉社/80万部突破、27ヵ国海外出版)©雨穴

■放送情報
『クレヨンしんちゃん』夏の終わりはホラー見れば~?SP
テレビ朝日系にて、8月31日(土)16:30~17:00放送
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる