生田絵梨花の姿に胸を締めつけられる 『素晴らしき哉、先生!』で考える“先生の自由”

先生の自由を考えさせられる『すばかな先生』

 学生時代、とにかく頭髪検査が苦痛だった。校則が厳しかったため、前髪の長さやポニーテールの高さはもちろん、爪の長さまで定規で測って「もう少し切りなさい」と爪切りを渡されたり。今は、社会に出たときにルールを守るための練習だったんだろうなと解釈しているが、あの頃は「ネイルをしている先生に言われたくないよね?」なんて友人と愚痴を言い合っていた気がする。だからこそ、りお(生田絵梨花)の「先生だって、人間だ!」という台詞を聞くたび、“先生、ごめんね”と胸を締めつけられるのかもしれない。

 『素晴らしき哉、先生!』(ABCテレビ・テレビ朝日系/以下『すばかな先生』)では、東京近郊32駅で屋外広告が張り出されており、“先生の自由について考えるための10の問い”が投げかけられている。「ネイルをして学校に行っちゃダメ?」「耳にあいてるピアス穴。教育上、よくないんでしょうか」「生徒のメイクを指摘したら、『先生だってしてるじゃん』先生もすっぴんにしろと?」などなど。

 たしかに、大人になればすべてのことを「先生は、社会人だからでしょ」と割り切ることができるが、10代の学生には理解するのがむずかしいのかもしれない。学生たちにとって、親の次に身近な大人といっても過言ではないのが、教師だ。とくに、りおのように担任ともなれば、少なくとも週に5日は会い、進路や成績のこと、日々の悩みなどさまざまなことを話す。

 だからこそ、保護者たちは「先生には先生らしくいてほしい」と願うのだろうし、生徒たちは身近すぎるあまりに「先生だって〜」といちゃもんをつけたくなるのだろう。しかし、第2話を観て改めて“先生の自由”について考えさせられた。

 りおの心の支えだった彼氏・聖也(小関裕太)が、まさかの浮気。しかも、プロポーズまでしておきながら「俺らって、付き合ってたの?」と言い出した。失恋の傷が癒えないなかでも、りおは担任としてシャンとした姿で教壇に立ち続けなければならない。

 カップルで2人乗りをしている生徒たちを注意しながら、思い出すのは学生時代の聖也との日々。「大学時代のこととか、思い出しちゃうんですよ。同じようなこと、注意されて怒られたりしてるから」という言葉を聞き、また勝手に自分のなかで“先生”のイメージを作ってしまっていたことに気づかされる。

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